ゴスデリ -GOTHIC DELUSION-
3,080円Whisp/CG300枚超・BGM70曲超・体験版あり
Whispの「ゴスデリ -GOTHIC DELUSION-」は、2011年12月発売の現代ファンタジーADVです。 価格は3,080円。今回レビューした11作品の中で最も安く、 それでいてイベントCG300枚超、BGM70曲超、容量5.89GBという中身を持っています。
スコアは100点満点中80点。 絶対的な完成度で上位作品に並ぶわけではありませんが、 価格を分母に置いた瞬間に評価が跳ね上がるタイプの一本です。
2011年の作品を今から買う意味
原画はCura。『まいてつ』『ものべの』と同じ絵師です。 シナリオは七海真咲が担当しています。 つまり本作は、Curaの絵が好きな人にとって手を出していない在庫という位置づけになります。
物語は、クラス運営に行き詰まった新米教師・不可咲貴路(CV:皇帝)が、 月明かりの夜に奇妙ないたずらを仕掛けてきた少女ロー(CV:鈴田美夜子)と出会うところから始まります。 ローは自分を人間ではないと主張し、「〈僕〉を見つける旅」の途中で何者かに追われているのだと語る。 荒唐無稽な話に困惑しつつも放っておけず――という導入です。
そこに人外を狩るハンターの橙々院絶火(CV:陸奥出流)と相棒の墨塞門(CV:水上司郎)、 謎の集団〈LEX DIAMOND〉のスミスとレイミア(いずれもCV:光岡レイ)が絡んできます。 日常の教師ものから現代異能バトルへ転がっていく構成で、 ゴシックロリータという意匠をただの見た目で終わらせていません。
販売ページの表記は「ビジュアルモーションノベル」。 立ち絵を動かす演出に力を入れた作りで、2011年当時としては挑戦的なアプローチでした。 今遊んでも演出の意図ははっきり伝わってきます。
Hシーンを本編から切り離した独特の構造
本作で特筆すべきはHシーンが本編と分離している点です。 物語の流れの中に組み込まれるのではなく、キャラクターを選んで個別に閲覧する方式を採っています。
この設計には明確な利点があります。物語のテンポが途中で切れないこと。 現代異能バトルとして話が加速している最中に別方向の展開が挟まる、という この手のジャンルにありがちな失速が本作では起きません。 シナリオを読み物として評価したい人にとっては、むしろありがたい構造です。
逆に言えば、物語とHシーンの連動を重視する人には物足りないということでもあります。 「あの場面の流れでこうなる」という積み上げを期待すると、期待の方向が違います。 ここは完全に好みが分かれるポイントなので、購入前に自分がどちらの派かを確認してください。
DL版限定特典として、バイノーラル録音CD「ソイネロッカーペロペロ」と HシーンCG集が付属します。3,080円という価格を考えると、特典としては十分に厚い部類です。
対応OSがWindows 7まで。ここが最大の関門
幸い、本作には体験版(約635MB)が用意されています。 これが本作における最大の安全装置です。 必ず体験版で自分の環境での動作を確認してから購入してください。 3,080円という金額は決して大きくありませんが、動かないものに払う理由はありません。
なお本作はPlayDRM形式です。 別途ムービーのダウンロード(約101MB)も用意されています。 必要スペック自体はPentium 4 2.4GHz以上、メモリ1GB以上と極めて低く、 スペック面で引っかかることはまずないでしょう。問題はあくまでOSの対応状況だけです。
5軸スコアと評価の内訳
コスパが18点。3,080円でCG300枚超、BGM70曲超、5.89GBという内容は、 単純な量あたりの単価で見れば今回の11作品中でも最上位です。 シナリオ(16点)も現代異能ものとして水準以上にまとまっています。
減点が集中したのはボリューム(15点)と音声(15点)です。 前者は絶対量として現行の大型作品には及ばないこと、 後者は声優16名がクレジットされているものの、 キャラクターとの対応が一部しか明示されていない点を踏まえました。 ビジュアル(16点)は、Curaの絵の魅力と 1,024×576という解像度の古さを相殺した結果です。
作品スペック一覧
| 正式タイトル | ゴスデリ -GOTHIC DELUSION- |
|---|---|
| ブランド | Whisp |
| 価格 | 3,080円 |
| 販売日 | 2011年12月16日 |
| 作品形式 | アドベンチャー/ビジュアルモーションノベル(音声あり・音楽あり) |
| 年齢指定 | R-18(ソフ倫受理番号 0004702D) |
| ジャンルタグ | 着衣/女教師/教師/コスプレ/ゴスロリ/学校・学園/同居/ファンタジー/魔法 ほか |
| シナリオ | 七海真咲 |
| イラスト | Cura |
| 出演 | 皇帝、鈴田美夜子、かわしまりの、陸奥出流、水上司郎、光岡レイ、KAZUMA、大庭弐勤、藤森ゆき奈、上田朱音 ほか計16名 |
| 収録量 | イベントCG300枚超/BGM70曲超 |
| 特典 | DL版限定:バイノーラル録音CD「ソイネロッカーペロペロ」、HシーンCG集 |
| ファイル容量 | 5.89GB(PlayDRM形式)/ムービーDL 約101MB |
| 動作環境 | Windows XP/Vista/7、CPU Pentium 4 2.4GHz以上(推奨3GHz以上)、メモリ1GB以上(推奨1.5GB以上)、1024×576ハイカラー、DirectX 9.3c以上(販売ページ表記) ※Mac非対応 |
| 体験版 | あり(約635MB) |
良かった点・気になった点
良かった点
- 3,080円でCG300枚超、BGM70曲超という圧倒的な量あたりの単価
- 『まいてつ』『ものべの』と同じCura作画を安く味わえる
- Hシーンを分離した構造で、物語のテンポが途切れない
- 体験版が約635MBと大きく、購入前に十分試せる
- DL版限定のバイノーラルCDとCG集が付いて価格据え置き
- 必要スペックが極めて低く、古いパソコンでも動く
気になった点
- 対応OSがWindows 7まで。現行環境での動作は保証外
- 解像度1024×576は、現在の基準では明確に見劣りする
- 物語とHシーンの連動を求める人には構造が合わない
- 声優16名のうち、キャラクターとの対応が一部しか分からない
- 音楽担当のクレジットが販売ページに記載されていない
結論:誰が買うべきか
Curaの絵が好きで、まだ本作に触れていない人には迷わず勧められます。 3,080円でCG300枚超が手に入るなら、画集として買っても損はありません。 現代異能ものとしてのシナリオも、想像以上にきちんと書かれています。
最新の解像度と演出を求める人には向きません。 2011年の作品であることは動かしようがなく、1,024×576という画面はどうしても古さを感じます。 ここに我慢できないなら、素直に新しい作品を選ぶべきです。
いずれにせよ、まず体験版を落としてください。 対応OSがWindows 7までである以上、これを飛ばして買うのは賭けになります。 体験版が動いたなら、3,080円は安い買い物です。