英雄伝説 零の軌跡
2,750円Falcom/全年齢・1.28GB・HD対応版
価格は2,750円、容量1.28GB。 作品内容の冒頭には「日本ゲーム大賞2011優秀賞」を獲得した旨が記載されています。
スコアは100点満点中90点。 シナリオ19点・コスパ19点・ボリューム19点という、 極めてバランスの取れた高評価になりました。
まず確認:これは全年齢のRPGです
ジャンルタグは「警察・刑事」「ヤクザ・裏社会」「ファンタジー」の3件のみ。 ソフ倫受理番号の記載もありません(全年齢作品のため)。 販売ページが/soft/(PCソフト)カテゴリにあるのはこのためです。
舞台はゼムリア大陸西部のクロスベル自治州。 かつて帝国と共和国の係争地だったこの地は、 現在は大陸有数の貿易・金融都市として繁栄しています。
一方で両大国の圧力を受けた議員・役人の政争と汚職、 マフィアや外国犯罪組織の台頭が進み、市民は警察への信頼を失っている。 そこへ4人の若者が集められ、新部署「特務支援課」に配属される――。
| ロイド・バニングス | CV:柿原徹也/新米捜査官。主人公 |
|---|---|
| エリィ・マクダエル | CV:遠藤綾/市長の孫娘 |
| ティオ・プラトー | CV:水橋かおり/魔導杖の使い手 |
| ランディ・オルランド | CV:三木眞一郎/元警備隊員 |
| キーア | CV:釘宮理恵 |
柿原徹也、遠藤綾、水橋かおり、三木眞一郎、釘宮理恵。 当サイトでレビューした美少女ゲーム群とは、キャストの層が明確に違います。 一般向け作品の水準だと理解してください。
2,750円で日本ゲーム大賞受賞作が遊べる
本作のコストパフォーマンスは突出しています。 2,750円で、日本ゲーム大賞2011優秀賞を獲得したRPGが遊べる。
ゲーム内容も厚みがあります。 主人公は新米捜査官で、捜査依頼をこなすと捜査官ランクがアップし、 レアアイテムの報酬も得られる。 戦闘は「ATバトル」にフィールド上で敵を直接攻撃するアクション要素を融合し、 導力魔法「アーツ」を一新して奇襲攻撃・連携攻撃を追加しています。
さらに「料理」「釣り」「カジノ」といったミニゲーム、 料理手帳のコンプリート、釣果による段位認定といった やり込み要素が用意されています。
1.28GBという容量でこれだけの内容を収めている点も特筆すべきでしょう。 当サイトでレビューした作品の中には、 3GBを超えながら遊べる時間が短いものもあります。 容量と中身が比例しないことの好例です。
なお『空の軌跡』からゲストキャラクターも登場しますが、 新舞台・新主要キャラで展開するため、 シリーズ未経験でも入れる設計になっています。
成り立ちが少し変わっている
本作の来歴には注意点があります。 販売ページには「2011年8月に中国で制作・発売されたWindows版 『英雄伝説 零の軌跡(中国語版)』をそのまま日本語化したもの」と明記されています。
つまり日本国内で一から作られたWindows版ではないということです。 オリジナルのPSP版をベースに、 キャラクター・2Dイラスト・フォント等を高画質化したHD対応版で、 キーボード&マウスに加えゲームパッド操作にも対応しています。
この成り立ちを気にするかどうかは人によります。 ただ移植の経緯が正直に開示されている点は、 購入者にとって不利益にはなりません。
動作環境はWindows Vista/7/8、CPU Pentium 4 1.3GHz以上 (推奨 Core 2 Duo 2GHz以上)、メモリ1GB以上、VRAM 512MB以上、 800×600フルカラー。 Windows 10/11の記載はなく、体験版もありません。 HD対応版と謳いつつ必要解像度が800×600という点も、 PSP版由来であることの表れでしょう。
5軸スコアと評価の内訳
シナリオ(19点)は、政争・汚職・マフィアという社会性の高い題材を RPGの枠に落とし込んだ構成を評価しました。 コスパ(19点)は2,750円という価格に対する内容量、 ボリューム(19点)はミニゲームとやり込み要素の充実によるものです。
ビジュアル(15点)が唯一低い評価です。 HD対応版とはいえ必要解像度が800×600で、 元がPSP版であることは画面から隠しきれません。 音声(18点)は一般向け作品らしいキャスト層を評価しています。
作品スペック一覧
| 正式タイトル | 英雄伝説 零の軌跡 |
|---|---|
| ブランド | Falcom |
| 価格 | 2,750円 |
| 販売日 | 2015年4月17日 |
| 年齢指定 | 全年齢(ソフ倫受理番号の記載なし) |
| 作品形式 | ロールプレイング/ストーリーRPG(音楽あり) |
| ジャンルタグ | 警察・刑事/ヤクザ・裏社会/ファンタジー |
| 受賞 | 日本ゲーム大賞2011 優秀賞 |
| キャラクターイラスト | エナミカツミ |
| 出演 | 柿原徹也(ロイド)、遠藤綾(エリィ)、水橋かおり(ティオ)、三木眞一郎(ランディ)、釘宮理恵(キーア) |
| ゲーム内容 | 捜査依頼で捜査官ランクがアップ/ATバトルにアクション要素を融合/導力魔法「アーツ」を一新し奇襲・連携攻撃を追加/料理・釣り・カジノのミニゲーム/料理手帳コンプリート/釣果の段位認定 |
| 移植の経緯 | PSP版をベースにキャラクター・2Dイラスト・フォント等を高画質化したHD対応版。2011年8月に中国で制作・発売されたWindows版を日本語化したもの。ゲームパッド操作対応 |
| ファイル容量 | 1.28GB(PlayDRMの注記なし) |
| 動作環境 | Windows Vista/7/8、CPU Pentium 4 1.3GHz以上(推奨 Core 2 Duo 2GHz以上)、メモリ1GB以上、VRAM 512MB以上(DirectX 9.0c以上対応の3Dアクセラレータ)、800×600フルカラー、DirectX 9.0c以上 ※Mac非対応 |
| 体験版 | なし(サンプルムービーもなし) |
良かった点・気になった点
良かった点
- 2,750円で日本ゲーム大賞2011優秀賞の受賞作が遊べる
- 捜査官ランク、ATバトル、アーツと、RPGとしての作りが本格的
- 料理・釣り・カジノとやり込み要素が充実している
- 容量1.28GBで、この内容量を収めている効率の良さ
- 一般向け作品らしいキャスト層
- 新舞台・新主要キャラのため、シリーズ未経験でも入れる
- ゲームパッド操作に対応している
気になった点
- HD対応版と謳いつつ必要解像度は800×600。PSP版由来の画面
- 対応OSがWindows 8まで。現行環境での動作は保証外
- 体験版がなく、購入前に一切試せない
- 中国語版を日本語化したという成り立ちを気にする人はいる
- シナリオ・音楽の構造化クレジットが記載されていない
- 成人向け要素を求める人には合わない
結論:誰が買うべきか
ストーリー重視のRPGを安く遊びたい人には、 当サイトで最もコストパフォーマンスの高い選択肢のひとつです。 2,750円という金額で、受賞歴のある作品がまるごと手に入ります。
美少女ゲームに疲れたときの選択肢としても悪くありません。 政争と汚職を軸にした社会性のある物語は、 当サイトでレビューした他の63作品とは明確に手触りが違います。
画面の綺麗さを重視する人には勧めにくいのが正直なところです。 800×600という必要解像度は、HD対応版という表現から想像するより低い。 元がPSP版であることを理解したうえで買うべき作品です。 そこさえ許容できれば、2,750円は間違いなく安い買い物になります。