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果鈴

主人公と同じ学校に通う幼馴染。
皆に人気の明るく元気なスポーツ少女。

淡い陽光が降り注ぐキャンパスの中で、僕は一際輝く存在に目を奪われた。それは同じクラスの果鈴だった。

果鈴は皆に愛されるスポーツ少女だ。太陽のような笑顔とフレンドリーな性格で、誰からも好かれる存在だった。特に、そのキュートなルックスと抜群の運動神経には、多くの男子が夢中になっていた。

僕はというと、果鈴とは幼馴染で、幼い頃から一緒に遊んでいた。しかし、ある時を境に、友人としての距離が薄れてしまったのだ。思春期特有のぎこちなさや、お互いの変化が原因だったのかもしれない。

久しぶりに再会した果鈴の姿を見て、僕は戸惑いを隠せなかった。昔と変わらない笑顔を浮かべていたが、どこか大人びた雰囲気を漂わせていた。彼女が部活で毎日厳しい練習に励んでいることは知っていたから、その成長ぶりに驚いたのだ。

その日以来、僕は果鈴を意識するようになった。一緒に帰ったり、休み時間に雑談をしたり、少しずつ距離を縮めていった。果鈴の明るく快活な姿に、僕は次第に魅了されていった。

しかし、果鈴には気になる存在がいるという噂があった。バスケ部のエースで、学校一のイケメン男子だという。その彼と果鈴は仲が良く、周囲からはお似合いだと言われていた。

僕はその噂を耳にして、複雑な心境になった。果鈴への想いに気付いたものの、彼女とあのイケメン男子の間には大きな壁があるように感じられた。諦めるべきかと葛藤したが、それでも果鈴への想いを捨てられなかった。

ある日、部活を終えた果鈴と偶然出会った。彼女は息を切らしながらベンチに座り込んでいた。僕は迷わず近づき、タオルを渡した。

「大丈夫？」

「ありがとう。少し疲れただけ」

果鈴は微笑んだ。息が上がりながらも、彼女の笑顔は眩しかった。

「よかった」

僕は曖昧な返事をしながら、果鈴のそばに座った。すると、彼女が突然話し出した。

「実は、バスケ部の彼と付き合ってるの」

僕は驚いた。噂は本当だったのだ。

「そうなんだ。おめでとう」

僕はなんとか笑顔を作ったが、胸の中では複雑な感情が渦巻いていた。愛する人が別の男性と結ばれることに、複雑な思いを抱かずにはいられなかった。

果鈴は僕の戸惑いに気付き、申し訳なさそうに言った。

「ごめんね、言わなきゃいけなかったよね」

「うん、ありがとう」

僕は絞り出すように答えた。

その日以来、僕は果鈴と距離を置いた。もう彼女に近づくのは酷だと思ったからだ。しかし、果鈴への想いは消えずに残った。

それから数ヶ月後、僕は果鈴がバスケ部の彼と破局したことを耳にした。理由は「価値観の違い」だという。僕は複雑な心境だったが、どこかにほっとした気持ちもあった。

ある放課後、僕は久々に果鈴に声をかけた。

「果鈴、話さない？」

果鈴は驚いた様子だったが、すぐに笑顔になり、

「うん、いいよ」

と答えてくれた。

僕たちは近くの公園を散歩しながら、久しぶりに昔話に花を咲かせた。すると、果鈴が突然僕の手を取った。

「あなた、ずっと昔からの親友でしょ？」

僕はうなずいた。

「私、あなたに嘘ついてたの」

「嘘？」

「バスケ部の彼とは付き合ってない。昔、噂が流れただけで」

僕は驚愕した。あの噂は嘘だったのか。

「なんで？」

「あなたを遠ざけてしまったから」

果鈴は少しうつむき加減に言った。

「私はずっと、あなたが好きだったの」

僕の心臓が激しく鼓動した。果鈴が好きだったのは、バスケ部の彼ではなく僕だったのか。

「果鈴、僕も好きだよ」

僕は勇気を出して告白した。

果鈴は顔を上げ、涙を流しながら微笑んだ。

「よかった。ずっとあなたに想いを伝えたかったの」

僕たちは公園のベンチに腰掛け、見つめ合った。周囲の喧騒が嘘のように遠ざかり、ただ二人だけの世界が広がっていた。

僕たちはその日から恋人同士になった。果鈴と付き合ってから、僕は自分が今まで以上に幸せだと感じた。

幼馴染であり、親友であり、そして恋人。果鈴は僕にとってかけがえのない存在だった。

日々が過ぎ、僕たちは高校を卒業した。果鈴は地元の大学に進学し、僕は東京の大学に進学することにした。距離は離れてしまったが、僕たちの愛情は変わらなかった。

大学生活が始まり、僕たちは週末に会いに行くようになった。果鈴の大学はキャンパスが広く、緑豊かだった。僕たちは大学の近くを散歩したり、カフェで勉強をしたり、充実した時間を過ごした。

ある日、僕たちが大学近くの公園を歩いていると、一人の女性が僕たちに駆け寄ってきた。

「果鈴さん！？」

女性は驚き、目を輝かせた。

果鈴は女性を見て、

「瑞希さん？」

と呼びかけた。

どうやら、果鈴と女性は小学校の同級生だったらしい。再会の喜びを分かち合い、三人で公園のベンチに腰掛けた。

すると、女性が突然僕の方を向いて言った。

「この方、どなたですか？」

「彼氏です」

果鈴がさらっと答えた。

女性は驚いたような表情をしたが、すぐに微笑んで、

「お似合いですね」

と祝福してくれた。

果鈴と僕は照れながら、お礼を言った。僕たちは女性としばらく話をしてから、一緒に写真を撮ってもらった。

大学生活も残りわずかとなった頃、僕は果鈴にプロポーズした。果鈴はすぐに承諾してくれた。

結婚式は地元の神社で行われた。親族や友人たちに見守られながら、僕たちは永遠の愛を誓った。

それから一年が経ち、僕たちは娘に恵まれた。愛らしい笑顔と果鈴にそっくりな瞳をした、可愛い女の子だ。

僕と果鈴は、地元の小さなアパートで幸せに暮らしている。幼馴染から恋人に、そして夫婦となり、親となった。僕たちの愛の物語は、これからもずっと続いていくことだろう。