【二次エロ】Overwrite～知らない色に染まる君～【アダルトAVアニメ・ゲーム】

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■ Overwrite ～知らない色に染まる君～

眩しいほどの蛍光灯が、無機質な空間を容赦なく照らし出していた。無数のデータが飛び交うモニターの海に囲まれ、私は白衣のポケットに手を突っ込んだまま、静かに息を潜めている。ここ「オーバーライト・ラボ」は、人間の記憶を書き換えるという禁断の技術を研究する、秘密結社と呼ぶのがふさわしい場所だった。

私の名は、星野　晶（ほしの　あきら）。このラボの主任研究員であり、自らの手で「記憶のオーバーライト」という革新的な、そして危険な技術を開発した張本人だ。トラウマの克服、犯罪者の更生、失われた能力の再獲得。理論上、あらゆる記憶の書き換えは可能だった。しかし、その裏には、人間の魂そのものを弄ぶことへの、漠然とした恐怖と罪悪感が常に付きまとっていた。

そんな私の日常に、一筋の光が差し込んだのは、一週間前のことだった。

「星野先生、こちらへ。」

秘書である佐藤が、緊張した面持ちで私を促した。案内されたのは、ラボの奥にある、これまで私が足を踏み入れたことのない一室だった。そこには、まるで芸術品のように鎮座する、最新鋭の記憶操作装置が置かれていた。その前には、一人の少女が静かに横たわっていた。

少女の顔を見た瞬間、私の心臓が激しく跳ねた。

彼女は、数年前に事故で両親を亡くし、そのショックから一切の感情を失ってしまった、水野　奏（みずの　かな）さん。メディアでも取り上げられ、社会的な関心も高かった。彼女の「色」は、もう何年も前に失われていた。

「彼女のために、この装置を開発したんです。」

佐藤は、震える声でそう言った。彼女の目は、私に何かを訴えかけているようだった。

「彼女の記憶に、生きた証を…「色」を、もう一度、植え付けたいんです。」

私は、奏さんの顔をじっと見つめた。その瞳には、感情の波紋一つない、ただ虚無だけがあった。まるで、キャンバスに色が失われた絵画のようだった。私の心に、かつてないほどの衝動が湧き上がった。この技術で、彼女に「色」を取り戻させたい。

「…わかりました。」

私は、決意を固めた。

奏さんの記憶のオーバーライトは、慎重に進められた。彼女の「失われた色」とは、一体何なのか。悲しみ、怒り、喜び、愛。それら全ての感情の根源となる、ポジティブな記憶を再構築する必要があった。私たちは、彼女が両親と過ごした温かい日々、楽しかった思い出、初めての感動といった、輝かしい瞬間をデータ化し、彼女の脳にインプラントしていく作業を進めた。

初めは、何の変化もなかった。奏さんは、ただ静かに横たわり、装置の光だけが彼女の顔を照らしていた。しかし、数日が経過した頃、彼女の表情に微かな変化が現れた。

「…あ。」

かすかな、しかし確かな声が漏れた。その瞬間、私の心臓が早鐘を打った。

「先生、見てください！」

佐藤が、モニターを指差した。奏さんの脳波に、これまで見られなかった、鮮やかな活動の波形が現れていた。それは、まるで抽象画に色が生まれ、躍動し始めたかのようだった。

そして、さらに数日後。

「…お父さん…お母さん…」

眠っていた奏さんが、ゆっくりと目を開けた。その瞳は、まだぼんやりとしていたが、そこには確かに、以前のような虚無はなかった。そして、彼女の口から、失われていたはずの温かい言葉が紡がれた。

「…私、覚えてる。あの公園…ブランコ…」

奏さんの顔に、徐々に表情が戻ってきた。それは、最初は戸惑い、やがて懐かしさ、そして…涙へと変わっていった。頬を伝う一筋の涙は、失われていた「色」が、彼女の魂に再び灯った証だった。

「…嬉しい…」

その言葉は、あまりにも純粋で、あまりにも力強かった。私は、涙をこらえきれなかった。この技術は、やはり無力ではない。人を救うことができるのだと、確信した瞬間だった。

奏さんの回復は、驚くべき速さだった。失われた感情を取り戻し、言葉を取り戻し、そして「色」を取り戻した彼女は、まるで別人のようだった。以前は、何を話しかけても反応がなかったのに、今では、好奇心旺盛に質問を投げかけ、笑顔を見せ、時に茶目っ気たっぷりに私をからかうことさえあった。

「星野先生って、意外と顔が赤くなるんですね。」

ある日、奏さんは私の顔を覗き込み、悪戯っぽく笑った。彼女の瞳は、キラキラと輝いていた。その輝きは、まるで新しい色を手に入れた宝石のようだった。

「…そ、そんなことはない。」

私は、顔を背けた。彼女の純粋な笑顔と、その言葉に、私の心は温かい熱に包まれた。それは、これまで感じたことのない、心地よい感覚だった。

しかし、この幸福は長くは続かなかった。

ある日、ラボに緊急事態が発生した。奏さんの記憶に、予期せぬ「ノイズ」が現れたのだ。それは、彼女が本来持っていたはずの記憶に、他の誰かの記憶が混ざり合っているかのような、不気味な現象だった。

「どうして…？新しい記憶は、全てポジティブなものばかりのはずなのに…。」

私は、混乱していた。オーバーライトの技術は、あくまでポジティブな記憶の再構築に特化していたはずだ。なぜ、ネガティブな「ノイズ」が現れるのか。

「先生、これを見てください。」

佐藤が、奏さんの脳波データを拡大して見せた。そこには、見慣れない、しかしどこか既視感のあるパターンが浮かび上がっていた。

「このパターン…もしかしたら…」

私は、ある可能性に思い至った。それは、あまりにも恐ろしい可能性だった。

「誰かの記憶が、彼女の記憶に「上書き」されているのかもしれません。」

「上書き…？でも、どうして…？」

「私たちが、彼女の記憶に「色」を植え付けたように…誰かが、彼女の記憶に、自分たちの「色」を植え付けようとしているのかもしれません。」

その「誰か」が誰なのか、想像もつかなかった。しかし、確かなことは、奏さんの魂が、再び危険に晒されているということだった。

私たちは、奏さんの記憶を保護するために、さらなる技術開発に没頭した。しかし、相手の技術もまた、私たちの想像を遥かに超えるものだった。奏さんの記憶は、刻一刻と、知らない色に染まっていくかのようだった。

ある夜、奏さんが眠っている間に、私は彼女の脳に直接アクセスを試みた。それは、非常に危険な行為だった。しかし、私はこのまま彼女を失うわけにはいかないと思った。

「奏…聞こえる？」

私の声が、奏さんの意識に届いた。彼女は、夢の中にいるかのように、ぼんやりと私に語りかけた。

「…先生…あのね…私、あの人の声が聞こえるの…悲しい声…」

「誰の声？」

「…わからない…でも、私と同じ…色がない…」

奏さんの言葉は、私の胸を締め付けた。彼女は、私たちが「色」を植え付ける前に、既に誰かの「色」に触れていたのかもしれない。そして、その「色」は、私たちが植え付けたポジティブな記憶とも、彼女自身の失われた記憶とも、異なる、悲しい色だったのかもしれない。

「大丈夫。私が、奏を守るから。」

私は、精一杯の言葉をかけた。

しかし、事態は悪化の一途を辿っていた。奏さんの精神状態は不安定になり、時折、見知らぬ誰かのように、冷たく、感情のない言葉を発するようになった。彼女の瞳から、あの輝きが失われつつあった。

「先生、もう限界かもしれません。」

佐藤が、疲弊した声で言った。私も、心身ともに限界に近づいていた。このままでは、奏さんは二度と「自分」に戻れないかもしれない。

その時、私の脳裏に、あるアイデアが閃いた。それは、私自身が、奏さんの記憶に「色」を上書きするという、究極の手段だった。私の記憶、私の感情、私の「色」を、奏さんの記憶に移植する。それは、私自身の存在を犠牲にする行為だった。

「星野先生、何を…？」

佐藤が、私の決意に気づいたように、私の顔を見上げた。

「私が、奏の記憶に…私の「色」を上書きする。」

「そんな…！先生、ご自身を犠牲にするおつもりですか！？」

「他に方法がない。」

私は、決意を固めていた。奏さんのあの純粋な笑顔、あの温かい言葉。それを、もう一度見たい。そして、彼女の魂が、二度と孤独にならないように。

私は、奏さんの横に横たわり、記憶操作装置のスイッチを入れた。私の意識は、急速に遠のいていく。私の「色」が、奏さんの記憶に流れ込んでいく。

「奏…これが、私の「色」だよ。温かい色…君を、守るための色…」

私の意識が、薄れていく。最後に見たのは、奏さんの顔。その瞳に、微かな光が灯ったような気がした。

…

どれくらいの時間が経ったのか。

私は、ゆっくりと目を開けた。見慣れない天井。そして、温かい日差し。

「…先生？」

聞こえてきた声は、紛れもなく奏さんの声だった。しかし、その声には、以前のような純粋さとは違う、どこか落ち着いた、そして…確かな「色」が宿っていた。

「奏…？」

私は、ゆっくりと体を起こした。隣に、奏さんが座っていた。彼女の瞳は、あの頃の輝きとは少し違うが、しかし、確かな感情が宿っていた。

「先生、大丈夫ですか？」

奏さんは、私の顔を覗き込んだ。その瞳には、心配の色があった。

「…私は…」

私は、自分の記憶を探した。しかし、そこに、かつて私が星野晶であったという記憶は、ほとんど残っていなかった。代わりに、温かい家族、楽しい友人、そして…愛する人との思い出が、満ち溢れていた。

「…私、夢を見たんです。すごく、温かい夢を。」

奏さんが、微笑んだ。その微笑みは、私がかつて奏さんに与えようとした「色」と、そして彼女自身が持っていたはずの「色」が、融合したような、新しい「色」だった。

「…私、この「色」を、大切にしたいんです。」

奏さんは、私の手を取った。その手は、温かかった。

「…ありがとう。」

私は、かすかに微笑んだ。私の「色」は、奏さんの記憶に、確かに「上書き」されていた。そして、それは、悲しみではなく、温かい記憶として、彼女の中に生き続けているようだった。

私は、もう星野晶ではない。しかし、奏さんの心の中に、温かい「色」として、確かに生きている。

オーバーライト・ラボの蛍光灯が、静かに部屋を照らしていた。私は、奏さんの隣で、新しい「私」として、穏やかな時間を過ごしていた。私の「色」は、知らない色に染まる君の中に、永远に生き続けるだろう。そして、いつか、君の「色」は、さらに鮮やかに、世界を彩るだろう。