【二次エロ】【ゲームブック】TSダンジョンから脱出せよ！【Winアプリ版】【アダルトAVアニメ・ゲーム】

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自動しおり機能







データの入出力

■ 異次元回廊、自動しおりの導き

「もう、嫌だ！」

私の叫びは、石造りの広間を虚しく響いた。薄暗い空間には、無数の通路が迷宮のように伸びている。壁には奇妙な紋様が刻まれ、床には用途不明の装置が点在していた。ここは、私が迷い込んだ「TSダンジョン」。通称、異次元回廊。

一体、どうしてこんなことになったのか。昨夜、いつものようにPCで「TSダンジョンから脱出せよ！」というゲームブックのWinアプリ版を起動したはずだった。自動しおり機能にチェックを入れ、適当なところでログアウトしたはずなのに、次に目を覚ましたら、この薄暗く、ひんやりとした場所にいたのだ。

「まさか…ゲームの中に閉じ込められたなんて…」

現実感がなく、自分の声さえも遠くで聞こえるようだった。しかし、目の前の光景は紛れもない現実だった。石の冷たさ、空気の匂い、そして微かな風の音。

「落ち着け、私。これはゲームだ。ゲームなら、攻略法があるはずだ。」

そう自分に言い聞かせ、周囲を見渡す。広間の中央には、古びた石碑が立っていた。表面には、ゲームブックでも見たことのあるような、しかしここでは意味深長な文字が刻まれている。

「えーと、『扉を開けるには、記憶の欠片を集めよ』…記憶の欠片？何それ？」

ゲームブックのルールには、そんな記述はなかったはずだ。しかし、この状況は、ゲームブックの延長線上にありながら、もはやゲームブックの枠を超えている。

とりあえず、どこかへ進まなければならない。広間には、南、西、東にそれぞれ通路が伸びていた。どちらから攻めるか。ゲームブックなら、通常は選択肢が出るはずだ。しかし、ここでは何も表示されない。

「まあ、とりあえず、一番近そうな南から行ってみよう。」

意を決して、南の通路へと足を踏み入れた。通路は緩やかなカーブを描き、しばらく進むと、小さな部屋にたどり着いた。部屋の中央には、台座があり、その上には、きらりと光る小さな水晶玉が置かれている。

「これが…記憶の欠片？」

恐る恐る水晶玉に触れてみる。すると、私の頭の中に、断片的な映像が流れ込んできた。それは、私自身が、このダンジョンに迷い込む前の、ごく普通の日常の風景だった。カフェでコーヒーを飲んでいる私、読書をしている私、PCの前でゲームを起動している私。

「これか…記憶の欠片って。」

水晶玉は、触れるたびに異なる記憶の断片を見せてくれた。ある時は、家族との温かい思い出。ある時は、友人との楽しかった時間。そして、またある時は、ゲームブックに没頭していた自分。

「そういえば、ゲームブックのデータ、セーブしてたっけ？」

ふと、ゲームブックの「データの入出力」という機能が頭をよぎった。ゲームブックでは、進行状況を保存したり、読み込んだりすることができた。まさか、このダンジョンでも、そんな機能が使えるのだろうか？

部屋の隅に、見慣れない装置があることに気づいた。それは、まるで古いパソコンのキーボードとモニターのような形をしていた。恐る恐る、それに触れてみる。

「『データロード、データセーブ』…やっぱり！」

私は、ゲームブックの「自動しおり機能」を思い出した。あれは、ゲームの進行状況を自動で記録してくれる機能だった。もし、このダンジョンにも、それに類する機能があるならば…

「自動しおり機能…」

私は、このダンジョンに迷い込む直前に、その機能にチェックを入れたことを思い出した。その時の記憶が、鮮明に蘇る。

「まさか、この装置で、あの時の状態に戻れるってこと？」

半信半疑で、装置のキーボードに指を置く。そして、ゲームブックでよく使っていた、「ロード」というコマンドを打ち込んでみた。

すると、モニターに「セーブデータが見つかりました。ロードしますか？」という文字が表示された。

「はい！」

思わず叫び、エンターキーを押す。

私の目の前で、周囲の景色が歪んだ。石造りの広間が、まるで水面に映った影のように揺らめき、そして、一瞬にして、先ほどまでいた、薄暗い部屋に変わっていた。

「やった！戻った！」

私は、安堵のあまり、その場にへたり込んでしまった。しかし、すぐに立ち上がり、辺りを見回す。部屋の中央には、先ほどと同じ、記憶の欠片が入った水晶玉が置かれている。

「ということは…あの水晶玉は、このダンジョンを進むためのヒントだったのか。」

私は、ゲームブックの「データの入出力」と「自動しおり機能」が、この異次元回廊で、私を助ける鍵になることを確信した。

広間へ戻り、先ほどの石碑をもう一度見上げる。

「扉を開けるには、記憶の欠片を集めよ。」

やはり、記憶の欠片を集めなければ、先へは進めない。しかし、今度は、もう迷わない。

「まず、この部屋で、記憶の欠片を全て集めよう。」

私は、部屋の隅々まで探し、水晶玉を手に取っていった。一つ、また一つと、記憶の断片が私の頭の中に流れ込んでくる。それは、私自身の、喜び、悲しみ、怒り、そして愛おしさ。様々な感情が、私という人間を形作っていたことを、改めて実感させられた。

全ての水晶玉を集め終えた時、広間の中央に、新たな通路が開いた。そこには、眩い光が満ち溢れている。

「よし、行くぞ！」

私は、覚悟を決めて、その光の中へと足を踏み出した。

通路を抜けると、そこは、見慣れない、しかしどこか懐かしい景色が広がっていた。それは、私がゲームブックをプレイしていた、あの部屋だった。

「…夢？」

私は、思わず呟いた。しかし、手には、まだかすかに温もりを残す、一粒の水晶玉が握られていた。

「いや、これは…」

私は、ゲームブックの「データの入出力」機能を使って、セーブしたデータをロードしたのだ。そして、このダンジョンで得た「記憶の欠片」は、私の現実世界での「データ」として、私の中に保存されたのかもしれない。

私は、PCの画面に目をやる。ゲームブックの「TSダンジョンから脱出せよ！」のタイトル画面が、穏やかに表示されていた。自動しおり機能のチェックマークは、そのままだった。

「あのダンジョンは、一体何だったんだろう？」

それは、私自身の、過去の記憶と向き合うための、不思議な試練だったのかもしれない。ゲームブックの「データの入出力」と「自動しおり機能」は、単なるゲームの機能ではなく、私自身の意識の断片を、時空を超えて移動させるための、特別な力を持っていたのだ。

私は、そっと、手の中の水晶玉を握りしめた。それは、もう二度と体験することのない、しかし、私の一部となった、大切な記憶の証だった。

「ありがとう、TSダンジョン。」

私は、静かに呟き、ゲームブックを閉じた。次に、このゲームを起動する時、私は、あの異次元回廊で得た経験を胸に、どのような冒険を繰り広げるのだろうか。それは、まだ、誰にも分からない、私だけの、未来の物語だ。