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茶葉☆姫P3
原画:　苺乃べりい
その他雑用:　来夢みんと

## 秘密の茶会と、触れてはいけない領域

古びた洋館の二階、ひっそりと開かれる秘密の茶会。そこは、限られた者だけが招かれる、甘く、そして少しだけ危うい世界だった。茶葉☆姫P3、その屋号には、どこか退廃的な美しさが宿っている。主催者は、謎めいた「茶葉☆姫」。彼女の周りには、才能溢れる絵師「苺乃べりい」と、何でも屋の「来夢みんと」が寄り添うように存在していた。

茶会は、毎週金曜日の夜、月の光が窓を淡く照らす頃に始まる。招かれるのは、皆、何らかの「秘密」を抱えた者たち。彼らは、日常の仮面を脱ぎ捨て、ここではありのままの自分を解放することを許されていた。

今宵も、いつものように茶会が開かれていた。部屋の中央には、アンティークなテーブルが置かれ、そこには銀器でできたティーセットと、色とりどりの菓子が並んでいる。柔らかなvelvetのソファに身を沈め、琥珀色の紅茶を静かに味わう。

「今夜も、素晴らしい夜になりそうね」

茶葉☆姫は、漆黒の髪を指で弄びながら、微笑んだ。その瞳は、月の光を映してきらめき、どこか遠い場所を見つめているようだった。彼女は、この秘密の茶会の主宰者であり、参加者たちの心を解き放つ魔法のような存在だった。

苺乃べりい、彼女は絵師として、この茶会の雰囲気を視覚的に彩る役割を担っていた。彼女の描く絵は、どれも妖艶で、見る者の官能を刺激する。今宵も、彼女はスケッチブックを広げ、部屋の片隅で静かに絵を描き続けている。その手から生み出される線は、まるで彼女自身の吐息のように、滑らかで官能的だった。

来夢みんと、彼はこの茶会の雑用係という肩書きだが、その実、茶葉☆姫の右腕とも言える存在だった。参加者の世話から、部屋の設営、そして何よりも、参加者たちが抱える「秘密」の深淵に、そっと寄り添う役割を担っていた。彼の無骨な手つきとは裏腹に、その瞳には深い優しさが宿っていた。

参加者の一人、アリアは、いつも部屋の片隅で静かに紅茶を飲んでいる。彼女は、かつては華やかな舞台で踊っていたバレリーナだった。しかし、ある事故によって、その才能の全てを失ってしまった。今、彼女の身体は、かつてのように自由には動かない。それでも、彼女はこの茶会で、失われた輝きのかけらを、ほんの少しだけ取り戻すことができた。

「茶葉☆姫様、今宵も誘ってくださり、ありがとうございます」

アリアは、震える声でそう言った。茶葉☆姫は、彼女の隣にそっと寄り添い、その肩に手を置いた。

「アリア、あなたがいるからこそ、この茶会はより一層輝くのよ。あなたの踊りは、私の心にも深く刻まれているわ」

その言葉に、アリアの瞳から涙が静かに溢れ落ちた。

もう一人の参加者、シンは、常に複雑な表情を浮かべている。彼は、かつては高名な音楽家だった。しかし、ある事件をきっかけに、彼は音楽を奏でることをやめてしまった。彼の指先は、今ではただ虚空をなぞるだけだ。

「来夢さん、この紅茶は…いつものより、少し甘すぎる気がします」

シンは、来夢にそう訴えた。来夢は、静かにシンに寄り添い、耳を傾けた。

「シン、君の繊細な感性は、今も失われていない。ただ、君自身が、それを否定しているだけだ。この茶会では、君の感性を、もう一度信じてみてもいいんだよ」

来夢の言葉は、シンの心の奥底に、静かに響いた。

茶会が深まるにつれて、参加者たちの「秘密」は、徐々に露わになっていく。それは、誰にも言えなかった苦しみ、誰にも理解されなかった孤独、そして、誰にも奪われたくない、切ない願いだった。

苺乃べりいは、そんな彼らの姿を、紙の上に写し取っていた。彼女の描く絵は、言葉にならない感情を、鮮やかな色彩と滑らかな線で表現していく。彼女の絵には、参加者たちが隠し持っていた、官能的な衝動や、抑えきれない欲望も、等身大で描かれていた。

「この線…、もっと艶やかに描きたい」

苺乃べりいは、そう呟きながら、鉛筆を走らせる。彼女の絵は、参加者たちの、触れてはいけない領域へと、静かに誘い込んでいく。

茶葉☆姫は、その全てを見守っていた。彼女は、参加者たちの「秘密」を、決して責めることはなかった。むしろ、その「秘密」こそが、彼らを人間たらしめているのだと、彼女は信じていた。

「さあ、皆。今宵は、もっと深く、自分自身と向き合ってみましょう。あなたの心の奥底に眠る、本当のあなたを、解き放つのよ」

茶葉☆姫の言葉は、まるで呪文のように、参加者たちの心を揺さぶった。アリアは、失われたバレエのステップを、記憶の中で静かに踊り始めた。シンは、もう一度、音楽を奏でることを、心の奥底で願い始めた。

来夢は、そんな彼らの様子を、静かに見守っていた。彼は、参加者たちが、この茶会で、少しでも安らぎを見つけ、そして、少しでも前へ進むための、静かな応援を送っていた。

苺乃べりいの描く絵は、次第に、参加者たちの秘めた欲望を、より赤裸々に描き出していく。それは、倫理や道徳を超えた、純粋な衝動の現れでもあった。彼女の絵は、見る者に、自身の秘めた欲望と対峙することを迫る。

「この線…、もっと大胆に」

苺乃べりいは、筆に色をつけ、大胆なタッチで描いていく。彼女の絵は、参加者たちの、触れてはいけない領域を、さらに深く、そして官能的に描き出した。それは、彼らが普段、決して口にすることのない、しかし、確かに内包している、剥き出しの感情だった。

茶葉☆姫は、その絵を見つめながら、静かに微笑んだ。彼女は、苺乃べりいの描く絵が、参加者たちの心を解き放つ、もう一つの「秘密」であることを知っていた。

「いいわ、べりい。そのままで。あなたの絵は、彼らの魂を、解放してくれるわ」

夜は更け、茶会は、参加者たちが、それぞれの「秘密」と向き合い、そして、少しだけ、それを共有する時間へと移りと移っていった。そこには、互いを裁くことのない、静かで、温かい、しかし、どこか退廃的な美しさが満ちていた。

茶葉☆姫P3。その名の下に集まる者たちは、互いの「秘密」を、そっと包み込む。それは、決して公にされることのない、しかし、確かに存在する、美しくも危うい、秘密の園だった。そして、その園では、苺乃べりいの描く絵が、参加者たちの、触れてはいけない領域を、静かに、そして官能的に、描き出していくのだった。来夢みんとの雑用は、その全てを、静かに、しかし、確かな意志を持って、支えていた。