【エロ動画】籠ノ中ノ鳥 / カゴノナカノトリ【アダルトAVアニメ・ゲーム】

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本編 | かみさま金魚のコト
labogamestudio.main.jp

## 籠ノ中ノ鳥

古びた木造アパートの一室。壁紙は日焼けで色褪せ、床には猫の毛が幾筋も描くように積もっている。その一角、窓辺に置かれた鳥籠の中で、一羽の白鷺が静かに羽を休めていた。名前は、シロ。鳴き声を発することも、羽ばたくことさえ滅多になく、まるで精巧な置物のようにただそこにいるだけだった。

この部屋の住人は、佐倉 陽菜。25歳、フリーのイラストレーター。生活は決して裕福ではないが、陽菜はシロの世話に余念がなかった。毎朝、鳥籠の餌を入れ替え、水を取り替える。そして、陽菜が筆を執る間、シロは静かにその姿を陽菜の視界に捉え続ける。

「今日もいい天気だね、シロ」

陽菜は、鳥籠の網戸越しにそっと指を差し出し、シロの白い羽に触れようとする。シロは微かに首を傾げ、その柔らかな羽毛が陽菜の指先に触れた。その瞬間、陽菜の胸に温かいものが広がる。

陽菜がシロを引き取ったのは、数年前のこと。拾った時、シロは傷つき、弱っていた。獣医に連れて行っても、飛ぶことはもう難しいだろうと言われた。それでも陽菜は、この美しい鳥を放っておけなかった。

「大丈夫だよ、シロ。私がそばにいるから」

陽菜は、シロが怪我をしていた頃、そう囁いた。それ以来、シロは陽菜の部屋の住人となった。飛ぶことができないシロにとって、この鳥籠が唯一の世界だった。

陽菜の仕事は、決して順風満帆ではなかった。締め切りに追われる日々、クライアントからの厳しい注文、そして何よりも、自身の絵に対する不安。それでも、陽菜は筆を止めなかった。シロの存在が、彼女の支えだった。

「ねえ、シロ。私、いつか広い空に絵を描きたいんだ」

陽菜は、鳥籠の前でスケッチブックを開く。そこに描かれているのは、広大な青空と、自由を謳歌する鳥たちの姿。

「シロにも、いつかあの空を見せてあげたいな」

シロは、陽菜の言葉に呼応するように、かすかに鳴き声を漏らした。それは、陽菜がシロの鳴き声を聞いた数少ない瞬間の一つだった。

ある日、陽菜の元に大きな仕事の依頼が舞い込んだ。それは、ある人気アニメーションのキービジュアルの制作。依頼主は、陽菜の繊細なタッチと、独特の世界観を高く評価してくれた。

「やった！シロ、見て！私、頑張ったんだよ！」

陽菜は、興奮のあまりシロの鳥籠を抱きしめそうになる。シロは、陽菜の喜びを察したかのように、静かにその瞳を陽菜に向けた。

しかし、仕事は想像以上に過酷だった。徹夜続きの日々。食事を摂る時間も惜しみ、ひたすら絵筆を動かし続けた。シロに餌をやる時間すら、ままならない時もあった。

「ごめんね、シロ。もうちょっとだけ待っててね」

陽菜は、疲労困憊の顔でシロに詫びた。シロは、いつもと変わらず、静かに陽菜を見つめている。しかし、その瞳の奥に、かすかな不安の色が宿っているように陽菜には見えた。

締め切り前夜。陽菜は、ついに力尽きた。机に突っ伏し、眠りに落ちる。その間にも、シロは静かに鳥籠の中で時を刻んでいた。

翌朝、陽菜が目を覚ますと、鳥籠は空っぽだった。

「シロ…？」

焦燥感に駆られ、陽菜は部屋中を探し回った。しかし、シロの姿はどこにもない。窓は閉まっている。ドアも施錠されている。どうして…？

陽菜の頭に、ある考えがよぎった。

「まさか…」

鳥籠の扉は、確かに閉まっていた。しかし、陽菜は、シロが外に出たことを確信していた。あの鳥籠は、シロにとって、もう安全な場所ではなかったのかもしれない。

陽菜は、部屋を出て、アパートの周りを必死に探し回った。しかし、シロの姿はどこにも見当たらない。

「シロ…どこにいるの…？」

涙が陽菜の頬を伝う。失意の中、陽菜はアパートの屋上に上った。そこから見えるのは、広大な空。あの時、シロに見せてあげたいと願った空。

「シロ…もしかして、あの空を見たかったの？」

陽菜は、空を見上げる。その時、陽菜の目に、一羽の白い鳥が映った。遠く、遠く、青い空を悠々と飛んでいる。

それは、紛れもないシロだった。

陽菜は、呆然と立ち尽くす。シロが、飛べないはずのシロが、あの広大な空を飛んでいる。

「シロ…！」

陽菜は、思わず叫んだ。シロは、陽菜の声に気づいたかのように、その白い翼を大きく広げ、空高く舞い上がった。

陽菜は、シロの姿が見えなくなるまで、ただ空を見上げていた。涙は止まらなかったが、それは悲しみの涙ではなかった。

シロは、鳥籠の中から解放され、自由を手に入れたのだ。

「ありがとう、シロ」

陽菜は、静かに呟いた。シロは、陽菜の部屋で、彼女の心の支えだった。そして、シロは、陽菜に本当の自由の意味を教えてくれた。

陽菜は、屋上から降り、部屋に戻った。鳥籠は、がらんとしていた。しかし、陽菜の心には、もう孤独感はなかった。

「私も、あの空に絵を描こう」

陽菜は、スケッチブックを開いた。そこには、シロが自由の空を舞う姿が、鮮やかに描かれていた。

数日後、陽菜は、アニメーションのキービジュアルを完成させた。それは、陽菜のこれまでの集大成とも言える作品だった。依頼主は、その作品に感動し、陽菜の才能を称賛した。

「佐倉さんの絵は、まるで鳥のように自由で、空のように広大ですね」

依頼主の言葉に、陽菜は微笑んだ。

「はい。私の心の中には、いつだって、あの白い鳥が飛んでいますから」

陽菜は、窓辺に置かれた空っぽの鳥籠を見つめた。そこにはもう、シロはいない。しかし、陽菜の心の中には、シロがくれた、あの広大な空と、自由の歌が響いていた。

陽菜は、 easel の前に立ち、筆を握る。彼女の描く絵は、これからも、あの白い鳥のように、自由と希望を乗せて、どこまでも広がっていくのだろう。

本作の関連アニメーションが、ただ今全話無料公開中であることを、陽菜は知っている。彼女は、そのアニメーションを、シロへの追悼であり、そして、自分自身へのエールとして、静かに再生した。画面に映し出される、シロの姿。それは、籠の中の鳥ではなく、空を翔ける、希望そのものだった。