【エロ動画】ショートアニメーション 12 ver.1.0.1【アダルトAVアニメ・ゲーム】

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FlashPlayerのサポート終了に伴い【swfフラッシュ】は、動作保証外となります。

## 砂漠の蜃気楼

　古びたパソコンの画面には、見慣れないエラーメッセージが赤々と浮かんでいた。「FlashPlayerのサポート終了に伴い【swfフラッシュ】は、動作保証外となります。」

　俺、ヒカルはこのエラーメッセージに、どうしようもない無力感と、それ以上に深い喪失感を覚えていた。このパソコンで、俺は「砂漠の蜃気楼」を、ただひたすらに見続けてきたのだ。

　「砂漠の蜃気楼」は、俺が中学生の頃に偶然見つけた、とあるショートアニメーションだった。描かれているのは、広大な砂漠の真ん中で、一人の少年がひたすら歩き続ける姿。流れるのは、切なくも美しい、しかしどこか寂しげなメロディーだけ。セリフは一切ない。ただ、少年が歩き、時折立ち止まり、空を見上げ、また歩き出す。それだけなのに、俺はそのアニメーションに魅せられた。

　砂漠の風景は、驚くほどリアルだった。太陽の強烈な光、乾いた風、足跡がすぐに消えてしまう砂の質感。その全てが、まるで自分がその砂漠に立っているかのような錯覚を覚えた。そして、何より魅力的だったのは、少年の表情だった。喜びも悲しみも、希望も絶望も、全てが言葉にならない静かな表情の中に凝縮されていた。

　俺は、このアニメーションが一体何を伝えたいのか、ずっと考えていた。少年は何を求めて砂漠を彷徨っているのか？ 彼はどこへ向かっているのか？ 誰かに会いたいのか？ それとも、何かから逃げているのか？

　学校の友達に「お前、あの砂漠のアニメ、まだ見てんの？」と馬鹿にされたこともあった。彼らにとっては、ただの古臭いフラッシュアニメでしかなかったのかもしれない。でも、俺にとっては違った。それは、俺の魂の奥底に響く、何か特別なものだった。

　高校を卒業して、大学に進学し、社会人になった。生活は忙しくなり、パソコンをゆっくり開く時間も減っていった。それでも、ふとした瞬間に「砂漠の蜃気楼」を思い出すことがあった。あの切ないメロディーが頭の中で流れ、少年の歩き続ける姿が瞼の裏に浮かぶ。そんな時は、仕事の疲れも、人間関係の悩みも、一瞬だけ遠のいていくような気がした。

　あの頃は、まだインターネットも今ほど普及しておらず、「砂漠の蜃気楼」のようなニッチな作品を見つけるのは至難の業だった。俺は、ひたすら検索を繰り返した。製作者の名前、作品のタイトル、関連するキーワード。でも、どれだけ探しても、それ以上の情報は出てこなかった。まるで、そのアニメーションだけが、この広大なデジタル空間にぽつんと存在しているかのようだった。

　ある時、ふと気づいた。もう何年も、あのパソコンの電源を入れていない。引っ越しの際にも、古いパソコンはそのまま残してきた。もしかしたら、もう二度と「砂漠の蜃気楼」を見ることはできないのかもしれない。そんな予感が、俺の胸をざわつかせた。

　そして今日、俺は決心した。あの砂漠に、もう一度、少年を見に行こうと。

　数年ぶりに、埃をかぶった古いパソコンを引っ張り出した。電源を入れると、懐かしい起動音が響く。画面には、あのエラーメッセージ。

「FlashPlayerのサポート終了に伴い【swfフラッシュ】は、動作保証外となります。」

　やはり、ダメか。胸が締め付けられる。しかし、諦めるわけにはいかない。俺は、色々な方法を試した。互換性のあるブラウザを探したり、古いバージョンのFlashPlayerをインストールしようとしたり。その度に、新たなエラーメッセージが現れる。

「FlashPlayerのサポート終了に伴い【swfフラッシュ】は、動作保証外となります。」

　何度、この言葉を目にしただろうか。その度に、砂漠の太陽が容赦なく照りつけるような、乾いた絶望が俺を襲った。

　それでも、俺は諦めなかった。だって、この砂漠には、俺がどうしても見届けなければならないものがあるのだから。

　夜が更け、街が静まり返る頃。俺は、最後の手段に打って出た。それは、あの頃の俺が、必死に集めていた「砂漠の蜃気楼」のデータ。友人のパソコンから、さらにその友人の友人のパソコンから、何年もかけて断片的に集めたものだった。それが、今、俺の手元にある。

　そのデータは、今やほとんどの環境で開くことすらできない、いわば「デジタル遺品」のようなものだった。しかし、俺はそれを、ある特殊なソフトを使って、なんとか再生できないか、試みている。

　画面には、まだ見慣れないプログラムのウィンドウが開いている。その中に、俺が集めた「砂漠の蜃気楼」のファイルらしきものが、いくつか並んでいた。

「頼む、動いてくれ…」

　俺は、祈るような気持ちで、そのファイルをダブルクリックした。

　一瞬、画面が真っ黒になる。そして、あの懐かしい、しかしどこか寂しげなメロディーが流れ始めた。

　砂漠。広大な砂漠。太陽がギラギラと照りつけ、空気は揺らめいている。その真ん中に、一人の少年が立っていた。

　彼は、俺が知っている、あの少年だ。

　彼は、ゆっくりと歩き始めた。風が砂を巻き上げ、彼の足跡をすぐに消していく。彼は、立ち止まる。空を見上げる。その表情は、やはり言葉にならない。

　俺は、息を飲んだ。この光景が、この音楽が、再び俺の前に現れた。それは、まるで時が止まったかのようだった。

　少年は、歩き続ける。時折、地面に手を伸ばし、砂を掴む。その指の間から、砂がサラサラと零れ落ちる。彼は、何を掴もうとしているのか？ 何を零しているのか？

　俺は、もう一度、あの頃の少年になったような気がした。この砂漠で、彼と同じように、何かを求めて歩いているような。

　少年は、遠くを見つめる。その視線の先には、何があるのだろうか。蜃気楼のような、幻影なのか。それとも、確かな希望なのか。

　俺は、あの頃、少年の歩き続ける姿に、自分自身を重ね合わせていたのかもしれない。人生という広大な砂漠を、目的地もなく、ただひたすら歩き続けている自分を。

　このアニメーションが、一体何を意図していたのか、今でも分からない。もしかしたら、製作者自身も、明確な答えを持っていなかったのかもしれない。ただ、彼が感じた、あるいは表現したかった、漠然とした感情が、この砂漠の風景と少年の姿に込められていたのだろう。

　そして、その漠然とした感情が、何故か俺の心に深く響いた。それは、人生の不確かさ、孤独、そしてそれでも歩き続けることの意義、といった、言葉では語り尽くせない、人間の根源的な感情なのかもしれない。

　少年は、歩き続ける。その歩みは、決して速くない。しかし、止まることもない。その確かな一歩一歩が、砂漠の静寂の中に、力強く響いているように感じられた。

　俺は、画面を見つめながら、静かに涙が流れていることに気づいた。それは、悲しみなのか、感動なのか、それとも、ただ懐かしいという感情なのか、自分でもよく分からなかった。

　おそらく、この「砂漠の蜃気楼」という作品は、もう二度と、以前のように多くの人に見られることはないだろう。FlashPlayerのサポート終了という、技術的な壁が、それを阻む。それは、ある意味で、この作品が「現世」から姿を消すことを意味するのかもしれない。

　しかし、俺の心の中では、この砂漠は、この少年は、永遠に生き続けるだろう。俺が、この作品を「動作保証外」とされた後も、こうして見ている限り。

　画面の中の少年は、いつか、どこかで、目的地にたどり着くのだろうか。それとも、永遠に砂漠を歩き続けるのだろうか。

　俺は、その答えを知ることはできない。そして、それはそれで良いのだと、今は思える。

　なぜなら、この砂漠に、この少年がいる限り。

　俺は、また、歩き始めることができるから。

　画面の中の少年が、ゆっくりと、しかし確実に、砂漠の地平線へと消えていく。その背中は、どこか寂しく、しかし力強く見えた。

　俺は、画面を閉じた。エラーメッセージは、もう表示されない。ただ、静かな、しかし確かな感動が、俺の胸を満たしていた。

　砂漠の蜃気楼。それは、もう二度と、誰もが簡単に見られるものではなくなった。しかし、俺にとっては、それはこれからも、俺を支え続ける、かけがえのない光なのだ。

　俺は、立ち上がった。窓の外は、もう朝焼けが始まっている。

　今日から、俺も、あの少年のように、歩き始めよう。

　この、人生という広大な砂漠を。