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5分4秒

## 潮風と彼女の声

夏の日差しがアスファルトを照りつけ、蝉の声が容赦なく耳をつんざく。この街の、この季節特有の熱気は、幼い頃から慣れ親しんだものだったけれど、今年は妙に心をざわつかせた。扇風機の前で頬を膨らませているのは、幼馴染の沙織だ。胸元が大きく開いたオフショルダーのTシャツから、溢れんばかりの豊かな胸が覗いている。いつものように鮮やかな色のミニスカートからは、すらりとした脚が伸び、素足にサンダルという軽装。日焼けした肌につやつやと光るブロンドの髪は、太陽の下でキラキラと輝いていた。

「はぁーっ、暑い！ほんと、溶けそう！」

彼女はそう言って、大きなため息をついた。その声は、どこか幼さを残しながらも、色気を帯びた響きを持っていた。沙織の声は、私の知る限り、いつでも少し高めで、感情が昂ぶると独特の「オホッ」というような、甘く掠れた声になるのが特徴だった。特に、暑さや興奮で少し息があがると、その声色は一層濃厚になる。

「まぁ、沙織はいつも通りじゃん。俺のこと、溶かさないでくれよ？」

冗談めかして言うと、沙織はくすくすと笑い、長いまつ毛をぱちくりさせた。

「もう、何言ってんの。涼しい顔して、ほんと意地悪なんだから！」

そう言って、私の肩に軽く頭を預けてくる。その感触に、ドキリとする。沙織の体は、小柄な私とは対照的に、どこもかしこも豊満で、触れるだけで熱を帯びているように感じた。この距離感は、いつものことだ。幼い頃から、肌が触れ合うことにためらいがない、奔放で明るい沙織。その奔放さが、時折私をドキドキさせる原因だった。

「で、今日の予定は？どこか行きたいとこある？」

沙織が顔を上げ、キラキラした瞳で私を見上げる。その視線に、なんだか吸い寄せられそうになる。私たちは、この夏休み、特に約束もせず、なんとなくこうして集まることが多かった。海辺のカフェ、近所の公園、そして、なぜか私の部屋。

「別に…沙織がどっか行きたいなら、付き合うけど？」

「うーん、でも、今日はちょっと疲れたんだよね。沙織、午前中からバイトでさ、バタバタだったの」

沙織はそう言って、肩をすくめた。彼女は派手なギャルだが、バイトも真面目にこなす一面がある。そのギャップが、また私を惹きつけるのかもしれない。

「じゃあ、今日はうちでゆっくりする？何か冷たいものでも作るよ」

私の提案に、沙織の顔がぱっと明るくなった。

「えー！いいの？わーい！じゃあ、沙織、涼んでる！」

そう言って、沙发にどさりと寝転がる。その姿を見ているだけで、私の心臓は早鐘を打ち始めた。彼女のTシャツの胸元は、寝転がったことでさらに強調され、視線が吸い寄せられるのを止められない。沙織の、柔らかく弾力のある胸。それが、目の前にある現実として、私の意識を支配していた。

しばらくして、私は冷たい麦茶と、沙織の大好物だというゼリーを作ってきた。沙織は、私の隣に座り、スプーンでゼリーをすくい上げ、口元へと運ぶ。その仕草が、妙に艶めかしく見えた。

「んー！美味しい！〇〇（私の名前）って、ほんと料理上手だよね！」

満面の笑みで褒められると、なんだか照れてしまう。

「そっか？まあ、沙織のために頑張ったけど」

「えへへ、ありがと！沙織のために、って言われると、なんか…」

彼女はそう言って、言葉を濁し、少し顔を赤らめた。沙織の頬に浮かんだ紅潮。それは、暑さのせいだけではないように見えた。私は、彼女の熱っぽい視線を感じながら、自分の指先が微かに震えていることに気づいた。

「ねぇ、〇〇」

沙織が、ふいに私の名前を呼んだ。その声に、思わず顔を上げる。彼女は、私の手をそっと掴んだ。その手は、思ったよりもずっと柔らかく、温かい。

「なんかさ、今日、暑いからかなぁ…なんか、ドキドキするんだよね」

彼女はそう言って、私の手を握りしめた。その言葉と仕草に、私の心臓は破裂しそうになった。沙織の声が、さっきよりもさらに低く、甘く響く。まるで、喉の奥から絞り出すような、それでいて誘うような声色。

「え…？沙織こそ、なんか顔赤いけど？」

私の声も、自分でも驚くほど震えていた。沙織の顔が、私の顔に近づいてくる。彼女の息遣いが、私の肌に触れる。甘い香りが、私を包み込む。

「だって…〇〇の顔見てたらさ…なんか、いけないこと考えちゃって…」

彼女の声が、さらに低くなる。そして、私の耳元で、囁いた。

「このまま、二人きりで…暑いし、なんか、イライラするし…もっと、涼しくなりたい…」

その言葉と共に、沙織は私の頬に手を伸ばし、そっと触れた。その指先から伝わる熱に、私の体は火照っていく。沙織の目が、じっと私を見つめている。その瞳の奥に、普段の明るさとは違う、情熱のようなものが燃えているのが見えた。

「沙織…？」

私の声は、もう完全に掠れていた。沙織は、私の名前を呼びながら、私の唇に顔を近づけてきた。その瞬間、私の意識は、全て沙織という存在に吸い込まれていった。彼女の吐息、彼女の熱、そして、彼女の甘い声。

「…んっ…」

唇が触れ合った。柔らかく、熱を帯びた感触。沙織の体が、私の体にもたれかかってくる。彼女の胸が、私の胸に押し付けられる。その豊満な感触に、私は息をのんだ。沙織の、熱っぽい喘ぎ声が、私の耳に直接響く。その声は、まるで私が想像していた通りの、いや、それ以上に甘く、私の理性を溶かしていくようだった。

「沙織…暑い…」

私の声は、もうほとんど囁きに近かった。沙織は、私から唇を離し、少し恥ずかしそうに微笑んだ。しかし、その瞳は熱を帯びたままだった。

「うん…暑いね…だから、もっと、溶け合っちゃおう？」

彼女はそう言って、私のTシャツの裾に手をかけた。その指先が、私の肌を撫でる。その感触に、私の体はさらに火照り上がる。沙織は、私のTシャツをゆっくりと引き上げた。そして、その視線は、私の胸元に釘付けになった。

「わぁ…〇〇も、なんか、ドキドキしてるね？」

彼女の声は、いつもの明るさの中に、抗いがたい甘さが混じっていた。私は、ただ何も言えなかった。沙織の手が、私の首筋に触れる。その指先が、私の髪を優しく梳いた。その時、沙織の体が、私の体を少し離し、そして、私の前にゆっくりと立ち上がった。

沙織は、私のTシャツを脱がせた。そして、自分のオフショルダーTシャツの、肩紐をさらにずり落とした。露わになった豊かな胸は、太陽の光を浴びて、より一層輝いているように見えた。私と沙織の間に、言葉はもう必要なかった。ただ、互いの熱だけが、そこにあった。

沙織は、ゆっくりと私の腰に手を回し、私の体を自分の方へと引き寄せた。彼女の胸が、私の胸に強く押し付けられる。その柔らかさと、熱に、私は溺れそうになった。沙織の声が、私の耳元で囁く。

「ねぇ、〇〇…もっと、感じたい…あなたに、全部…」

彼女の言葉は、私を更に深く、この熱情の渦へと引きずり込んでいった。沙織の声が、喘ぎ声へと変わっていく。その音は、まるでこの夏の暑さそのもののようだ。そして、彼女の体が、私の体を支えるようにして、ゆっくりと私の上に乗ってきた。

「あ…っ…沙織…？」

私の声は、もはや自分の声ではないかのように、震えていた。沙織は、私の胸に顔を埋め、そして、ゆっくりと顔を上げた。その表情は、熱に浮かされ、甘く蕩けていた。

「〇〇…っ…もう、我慢できない…っ！」

彼女の言葉と共に、沙織の体が、私の上に覆いかぶさるようにして、ゆっくりと沈み込んできた。そして、私が想像していた以上に、熱く、激しい時間が始まった。沙織の体から発せられる熱、そして、その甘く掠れた声が、私の全身を包み込んだ。この、異常なほどの暑さと、それ以上に熱い彼女の声が、私をこの夏の日々から、遠い別世界へと連れて行くような、そんな感覚だった。