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数年ぶりに出会った従姉妹の子夏との一晩の物語です。

ちょっとおバカなノリで進んでいくテキスト&動画形式の作品になっております。

夏の夜風が窓辺を撫でる。薄明かりのマンションの一室。テーブルの上には、空になったワインボトルと、食べかけのチーズが寂しげに佇んでいる。ソファに寄りかかり、ため息をつくのは、30歳を過ぎたばかりの私、翔太だ。数年ぶりに再会した従姉妹の子夏と、一晩を共に過ごした。その一晩は、予想をはるかに超える、奇妙で、そして忘れられないものになった。

子夏とは、幼い頃から時々会っていたものの、大人になってからは疎遠になっていた。今回、偶然街中でばったり会ったのだ。彼女は以前とはまるで変わっていた。当時のおっとりとした少女の姿はどこにもなく、大人びた雰囲気をまとっていた。少しふっくらとした頬、クリクリとした瞳は相変わらず可愛らしかったが、その瞳の奥には、何か秘めたものを感じさせた。

「翔太くん、久しぶり！」

彼女の明るい声に、私は一瞬戸惑った。久しぶりの再会に、どう接していいのか分からなかったのだ。しかし、子夏はそんな私の戸惑いなどお構いなしに、軽快なフットワークで私のマンションへとやって来た。

「ねえねえ、今日は私の奢りで、美味しいもの食べに行こうよ！」

そう言って、彼女はすでにスマートフォンを取り出し、予約サイトを操作している。その様子は、まるで何年も前から計画していたかのような、スムーズさだった。

結局、私たちは近所のイタリアンレストランで食事をし、その後、私のマンションに戻ってきた。そこからは、予想外の展開が待っていた。子夏は、まるで自分が自分の家のように、自然にソファに寝転がり、テレビのリモコンを手に取った。

「ねえねえ、翔太くん。面白い動画、見せて！」

そう言って、彼女は、私が普段は見ないような、くだらない動画を次々と再生し始めた。猫が奇妙なダンスをする動画、子供が面白おかしく失敗する動画、そして、意味不明な音声が延々と続く動画。どれもこれも、私は理解不能なものばかりだった。

しかし、子夏はそれを心から楽しんでいた。彼女の笑い声は、マンションの静寂を破り、部屋全体に広がっていく。最初は戸惑っていた私も、いつしか彼女と一緒に笑い、そして、奇妙な一体感を覚えた。

彼女は、テキストメッセージを巧みに操り、画面に文字を次々と表示させていく。それは、動画の内容をさらに面白おかしく解説する、一種のパフォーマンスだった。まるで、彼女独自の、独特の世界観を作り上げているかのようだった。

「これ見て！この猫、絶対何か企んでるよね！」

彼女は、画面を指さしながら、熱心に解説する。その熱意に圧倒されながらも、私はついつい彼女のペースに巻き込まれていく。彼女の独特のユーモアセンス、そして、何よりも彼女の純粋な楽しさに、私は心を奪われた。

夜が更け、ワインも空になった頃、私たちは静かにソファに寄り添っていた。不思議なことに、気まずさや不自然さは全く感じなかった。まるで、長年の友人同士のように、自然体でいられた。

「ねえ、翔太くん。」

子夏は、静かに私の名前を呼んだ。彼女の瞳は、先程の明るさとは少し違って、どこか物憂げな表情を浮かべていた。

「昔、よく一緒に遊んだよね。あの頃は、本当に楽しかった。」

彼女の言葉に、私は胸が締め付けられるような感覚を覚えた。幼い頃の記憶が、鮮やかに蘇ってきた。一緒に遊んだ公園、一緒に食べた駄菓子、そして、一緒に過ごした楽しい時間。

「うん、楽しかったね。」

私は、彼女の手を優しく握った。その瞬間、彼女の瞳に、涙が浮かんだ。彼女は、私の手を握り返し、静かに目を閉じた。

その夜、私たちは何も特別なことをしなかった。ただ、一緒に笑い、昔のことを語り合い、静かに時を過ごしただけだった。しかし、その一晩は、私にとって、かけがえのないものになった。

数年ぶりに再会した従姉妹の子夏との一晩。それは、奇妙で、おバカで、そして、何よりも温かい思い出として、私の心に深く刻み込まれた。あの夜、私たちの間には、言葉では表現できない、特別な何かが生まれた気がしたのだ。彼女の独特のテキストと動画による世界観、そして彼女の純粋な心の輝きは、私の人生に、新たな光を灯してくれた。そして、その光は、これからも、私の心に温かい温もりを与え続けてくれるだろう。  あの夜、私たちは、ただ一緒に時間を過ごしただけなのに、何か大切なものを共有できた気がした。それは、言葉では言い表せない、特別な繋がりだった。