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商品ID RJ01544078
タイトル rooms
紹介文 ※公式サイトhttps://www.dlsite.com/の商品概要より引用

気が付いたら謎の部屋にいた主人公が異変を見つけて8号室の部屋を目指すゲームです


youtubeにゲームの雰囲気がわかるトレーラーがあります
サークル名 irohas
販売日

 

■ 迷宮の部屋(仮題)

「……ふっ」

重たい瞼をこすり、俺はゆっくりと目を開けた。視界に飛び込んできたのは、無機質で、どこか冷たい、見慣れない天井だった。コンクリートむき出しの天井には、頼りなく明滅する蛍光灯が一つ。その光を浴びて、俺の身体は硬い床に横たわっていることに気づいた。

(どこだ、ここ…?)

記憶は曖昧だ。最後に覚えているのは、いつものように帰宅途中の道。不意に襲ってきた激しい睡魔に襲われ、そのまま意識が途絶えたような気がする。まさか、誘拐? いや、にしてはあまりにも奇妙な状況だ。

ゆっくりと身体を起こす。着ている服は、あの時と同じ、普段着だ。周囲を見渡すと、そこは簡素な部屋だった。壁も床も天井も、すべてがコンクリート。窓は一つもなく、ドアはひとつ。それが、俺をこの場所から隔てている唯一の出口のようだった。

「おい!」

ドアを叩き、叫んでみる。しかし、返ってくるのは虚無の響きだけ。壁に手をつき、体重をかけてみるが、びくともしない。頑丈な鉄扉のようだ。

絶望感が胸を締め付ける。だが、ここで立ち止まっているわけにはいかない。このままでは、ただ飢え死にするか、正気を失うだけだ。

部屋の中を改めて探索する。隅に置かれた小さなテーブル。その上には、一枚の紙切れが置かれていた。手に取ると、そこに書かれていたのは、たった一言。

「8号室へ」

8号室? 何のことだ? この部屋が1号室なのか? それとも、どこかに番号が振られているのか?

手探りで、この部屋の壁を這うように触っていく。冷たく、ごつごつとした感触。どこかに隠された仕掛けがあるのかもしれない。しばらく壁をなぞっていると、ある一点で、指先がわずかに沈む感触があった。

「…!」

そこを強く押すと、カチリ、と小さな音が響いた。そして、背後の壁が、ゆっくりと、しかし確実に、右へとスライドし始めた。開いたのは、新たな通路。暗闇が、俺を誘い込むように口を開けていた。

迷わず、その暗闇へと足を踏み入れる。通路は狭く、両脇の壁はさらに無機質だ。歩き進めるうちに、かすかな灯りが見えてきた。それは、先ほどまでいた部屋と同じ、蛍光灯の明かりだった。

やがて、通路の先に、新たなドアが現れる。そこには、見慣れない文字が刻まれていた。

「2号室」

やはり、ここは連番になっているようだ。緊張しながらドアノブに手をかける。こちらも、先ほどの部屋と同じく、頑丈な鉄扉だ。しかし、開けるための仕掛けは、どこにも見当たらない。

困り果て、部屋の中を観察する。先ほどの部屋よりも、少しばかり広さがあるように感じる。壁には、奇妙な模様が描かれている。几何学的な模様だが、どこか歪んでいるようにも見える。

「…なんだ、これ」

模様を指でなぞりながら、ふと、あることに気づいた。模様の一部が、他の部分とは明らかに違う質感を持っている。そこを強く押してみると、またもやカチリ、という音が響いた。

そして、部屋の片隅に、これまで気づかなかった小さなパネルが、壁からせり出してきた。パネルには、いくつかのボタンが並んでいる。

「…暗号か?」

ボタンを押してみるが、何も起こらない。模様とボタン。何か関連があるはずだ。模様をじっくりと観察し、ボタンの配置と照らし合わせる。しばらく考え込むうち、ある仮説が浮かんだ。

模様が描いているのは、ある種の「道」ではないか? そして、その道に沿って、ボタンを押せばいいのではないか?

恐る恐る、模様の始まりから順に、対応するボタンを押していく。指先が震える。一つ間違えれば、何が起こるか分からない。

「…」

最後のボタンを押すと、今度は、部屋の奥にある巨大なスクリーンに、映像が映し出された。それは、この部屋の構造図らしきものだった。そして、その図に、ある数字が点滅している。

「…3?」

意味は分からないが、ともかく、この部屋はクリアしたようだ。スクリーンが消えると同時に、2号室のドアが、静かに右へとスライドして開いた。

(これで、3号室か…)

新たな通路へと足を踏み入れる。このゲームのような状況に、恐怖よりも、奇妙な高揚感が芽生え始めていた。この先には何が待っているのだろう。そして、8号室とは、一体何なのだろうか。

3号室は、さらに奇妙な部屋だった。部屋の中央には、水槽のようなものが置かれている。その中には、液体が満たされており、奇妙な物体が漂っている。物体は、まるで生物のようにも見えるが、その形状は、俺が知っているどの生物とも異なっていた。

壁には、多くのモニターが設置されている。モニターには、それぞれ異なる映像が映し出されている。それは、この部屋の外の風景のようにも見えるが、どれもこれも、俺が知っている現実世界の風景とはかけ離れている。歪んだ空、奇妙な植物、そして、見たことのない建造物。

「…これは、一体…」

モニターの映像を食い入るように見つめていると、ふと、あるモニターに目が止まった。そのモニターに映し出されているのは、先ほど俺がいた部屋の様子だった。そして、その部屋のドアの前に、誰かが立っているのが見えた。

(俺…じゃない?)

その人物は、俺とは違う服を着ていた。そして、その人物が、俺が部屋を出た後、ドアの前に置かれていた紙切れを拾い上げ、そして、俺が発見した仕掛けの場所へと向かうのが見えた。

(俺以外にも、いるのか…?)

この場所には、俺以外にも囚われている人間がいるのかもしれない。そして、彼らもまた、8号室を目指しているのだろうか。

モニターをさらに観察する。それぞれのモニターに、異なる部屋の様子が映し出されている。そして、いくつかのモニターには、先ほど俺が通ってきた2号室の様子も映っていた。

「…!」

あるモニターに、先ほど俺が3号室の脱出のために操作したパネルが映っていた。そして、そのパネルのボタンが、ある順番で光っているのが見えた。

(あの順番か…)

意図せず、俺は脱出のヒントを、このモニターから得てしまったのだ。

水槽の中の物体が、かすかに蠢いた。その不気味な動きに、俺は思わず距離を取る。

「…もう、ここに長居はしたくない」

モニターで得た情報を元に、部屋の探索を始める。水槽の底に、何か文字が書かれているように見える。液体が濁っていて、よく見えない。

「…!」

水槽の横に、小さなレバーを見つけた。これを引くと、水槽の中の液体が、ゆっくりと排水され始めた。そして、水槽の底に書かれていた文字が、徐々に姿を現す。

それは、先ほどのモニターで見た、3号室の脱出シーケンスの、わずかに異なるパターンだった。

「…もう一度、あの操作をすればいいのか」

恐る恐る、レバーを操作し、液体を再び満たす。そして、モニターで見た順番に、パネルのボタンを押していく。

カチリ、カチリ、カチリ。

最後のボタンを押した瞬間、部屋の天井から、滑り台のようなものが、ゆっくりと降りてきた。そして、その滑り台の先に、次のドアが見えた。

4号室。

この調子で、8号室まで行けるのだろうか。そして、8号室には、一体何が待っているのだろうか。

4号室、5号室、6号室、7号室。

それぞれの部屋には、様々な仕掛けがあった。ある部屋では、光のパズルを解き、ある部屋では、音の記憶を辿り、またある部屋では、時間との戦いを強いられた。

そして、すべての部屋で、俺は、他の誰かの残した痕跡を発見した。それは、壁に書かれたかすかなメッセージ、床に落ちていた使い古された道具、あるいは、モニターに映し出された、一瞬の誰かの姿。

彼らもまた、この迷宮を彷徨い、8号室を目指していたのだろう。そして、彼らの多くは、途中で脱落したのかもしれない。

(…俺は、あの人たちの分まで…)

そんな思いが、俺の胸に芽生え始めていた。

そして、ついに、8号室のドアの前に辿り着いた。

8号室。

それは、これまでのどの部屋とも異なっていた。部屋というよりは、広大な空間。そして、その空間の中央に、巨大な装置が鎮座していた。装置は、複雑な配線と、無数のランプで構成されており、かすかな振動を発している。

「…これが、8号室…」

周囲を見渡す。壁には、これまで見てきたどの部屋とも違う、緻密で美しい模様が描かれている。それは、まるで、宇宙の星図のようにも見える。

装置の近くに、一枚のパネルがあった。パネルには、いくつかのボタンと、中央に大きなディスプレイが表示されている。ディスプレイには、無数の数字が羅列されており、その一部が、奇妙な速度で点滅している。

(これが、最後の試練か…)

恐る恐る、パネルに手を伸ばす。指先が、ディスプレイの数字に触れる。

その瞬間、部屋全体が、激しい光に包まれた。

(…!)

意識が遠のく。しかし、その意識の奥底で、俺はある声を聞いた。

「…よく来たな、8号室へ」

それは、誰の声だろうか。そして、この装置は何を意味するのだろうか。

再び、意識が遠のいていく。しかし、その意識の片隅に、確かな希望の光が見えたような気がした。

この迷宮の先に、一体何があるのか。それはまだ分からない。しかし、俺は、もう一度、この場所で目覚めるだろう。そして、8号室の謎を解き明かすために、再び歩き出すだろう。

この「rooms」という迷宮の、本当の扉を開けるために。

 

 

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