【二次エロ】cliff【アダルトAVアニメ・ゲーム】

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要望に応えて作った短編作品です。
ちょっとホラーになってしまいました。
怖い話が苦手な方にはオススメしません。
しかし、すごく怖い話でもないので、
ホラーが目的の方にもオススメできません。
そんな変な作品です。


作者の趣味で作った作品ですので、
何かの役に立つものではございません。

動画サイズはHD『1920×1080』です。

exeファイルを実行してお楽しみください。
どうぞよろしく。

■ 断崖の囁き

梅雨の晴れ間、湿った空気が肌にまとわりつく。私は、物置の奥に眠っていた古びたノートPCを引っ張り出した。父が遺したものです。仕事柄、最新のPCに囲まれて生活している私ですが、なぜかこの父の遺品だけは、埃を被ったまま触れることができずにいました。父は、私が物心つく前に事故で亡くなりました。最期の記憶は、顔もろくに覚えていない、遠い背中の残像だけです。

「exeファイルを実行してお楽しみください。」

ノートPCの起動画面には、父が残したと思われる、手書きのメモが貼ってありました。その文字は、私の記憶の中の父の面影と重なるようで、胸が締め付けられます。ホラー、と書かれたメモも添えられていました。動画サイズはHD『1920×1080』。父は、一体何を私に見せようとしたのでしょうか。

恐る恐る、電源ボタンを押しました。カツン、という鈍い音と共に、画面が淡く光ります。起動に時間がかかること、数分後、デスクトップ画面が表示されました。壁紙は、見覚えのない、断崖絶壁の風景。荒々しい波が岩肌に砕け散り、空は鉛色に曇っています。どこか、異様な雰囲気を放つ風景でした。

いくつかのファイルが並ぶ中、「cliff.exe」というファイル名が目に留まります。これに間違いない。背筋に冷たいものが走りました。開くべきか、開かざるべきか。好奇心と、漠然とした不安がせめぎ合います。しかし、父の残した最後のメッセージを無視するわけにはいきません。私は、震える指でダブルクリックをしました。

画面が黒く塗りつぶされ、すぐに奇妙な映像が流れ始めました。HD画質、1920×1080。まさに、父のメモ通りです。映像は、先ほどの壁紙と同じ、断崖絶壁の風景を映していました。しかし、ただの風景ではありません。風の音が、ひっきりなしに耳元で囁きかけてくるような、生々しい音声が重なっています。

断崖の縁に、一人の人物が立っていました。性別も、顔もはっきりと分かりません。ただ、そのシルエットから、人間であることは理解できました。その人物は、じっと海を見つめています。波の音、風の音、そして、その人物から発せられる、かすかな、しかし聞き取れるほどの声。

「落ちたい…」

その言葉は、風に乗って、私の鼓膜を震わせました。ぞっとしました。これは、単なる映像作品ではない。父は、私に何を伝えようとしていたのか。

映像は、ゆっくりと人物に近づいていきます。顔は、やはり判別できません。しかし、その人物が、徐々に、断崖の縁に足を踏み出していくのが分かります。一歩、また一歩。地面が、足元から崩れ落ちていくような感覚に襲われました。

「もう、疲れた…」

再び、声が響きます。それは、絶望の底に沈んだ、乾いた声でした。私は、画面に釘付けになり、息をすることも忘れていました。

人物が、断崖の最先端に立ちました。足元は、もう、ありません。ただ、底なしの海が広がっています。その瞬間、風の音が一層強まり、まるで叫び声のように私の耳を劈きました。

「さあ、行こう…」

そして、その人物は、ゆっくりと、しかし迷いなく、断崖から身を投げました。

映像は、その落下を追うこともなく、唐突に途切れました。黒い画面が、数秒間続きます。そして、画面が再び光り、そこには、先ほどと同じ、断崖絶壁の風景が映っていました。しかし、今度は、人物はいません。ただ、荒々しい波が、静かに、しかし不気味なほど規則的に、岩肌に打ち寄せていました。

それだけでは、終わらなかったのです。画面の端に、小さな文字が、ゆっくりと現れ始めました。

「あなたは、一人じゃない」

その文字は、ゆっくりと、画面全体に広がっていきました。そして、最後の文字が画面に現れた時、私のPCのスピーカーから、奇妙な音が流れ始めました。それは、音楽とも、ノイズともつかない、耳障りな、しかしどこか懐かしいような響きでした。

私は、恐怖で体が硬直しました。どうすればいいのか、分からない。このexeファイルは、一体何なのか。父は、なぜ、こんなものを私に残したのか。

ふと、PCの画面に、自分の顔が映り込んでいることに気づきました。そして、その顔のすぐ後ろに、ぼんやりとした、しかし確かに存在する、人影が見えたのです。

「…っ！」

悲鳴をあげそうになりましたが、声になりません。その人影は、ゆっくりと、私の顔に近づいてきます。それは、断崖から身を投げた、あの人物に似ているような気がしました。

「あなたも、落ちたい？」

囁くような声が、私の耳元で響きました。それは、PCのスピーカーから流れる音に紛れ、しかしはっきりと、私に語りかけてきました。

私は、必死にPCを閉じようとしました。しかし、マウスもキーボードも、全く反応しません。画面は、あの断崖の風景と、私自身の顔、そして、背後に迫る人影で、満たされていました。

「大丈夫。私も、そうだったから」

人影が、私の肩に、冷たい手を置きました。その感触は、まるで氷のように、私の全身を凍りつかせました。

「さあ、一緒に行こう」

断崖の囁きが、私の背後から、まるで現実に引きずり込むように、私を誘います。私は、ただ、画面の中で、崩れ落ちる断崖の縁に立っている自分自身を、見ているような気がしました。

（了）