【二次エロ】天狗の花嫁【アダルトAVアニメ・ゲーム】

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## 天狗の花嫁

漆黒の夜。満月が、鬱蒼と茂る杉木立の隙間から、時折、銀色の光の筋を投げかけていた。古びた山道は、月光にもかかわらず、その闇の深さを隠しきれずに、ただひっそりと、月の光を吸い込んでいるかのようだった。

「はぁ…はぁ…」

息を切らせながら、私は必死に山道を駆け上がっていた。足元はぬかるみ、何度か滑りそうになりながらも、ただひたすらに。背後からは、不気味な風の音が追いかけてくる。それは、ただの風ではない、何か、私の背後で笑っているような、悪意めいた響きだった。

「待って…！待ってください…！」

私が叫んだ声は、夜の静寂に虚しく響くだけで、誰にも届かない。それが、この身に降りかかった悲劇の始まりだった。

数日前、私は故郷の村を離れ、都へ奉公に出ることになった。両親は、私の将来を案じ、少しでも良い暮らしができるようにと、私をこの奉公に出したのだ。村を出る日、母は泣きながら私に木綿の反物を渡し、「これだけは、肌身離さず持ちなさい。もし、困ったことがあったら、これを広げて、心の中で強く願いなさい」と言った。父は、何も言わなかったが、その目は、心配と、そして深い愛情で私を包んでいた。

都での暮らしは、想像していたよりもずっと厳しかった。仕えさせてもらった家は、立派ではあったが、女主人からは些細なことで叱責され、一日中、雑用をこなす日々。それでも、私は故郷の両親のために、懸命に働いた。

そんなある夜、私は、家の中で奇妙な物音を聞いた。それは、まるで、誰かが廊下を歩いているような音だった。しかし、この家には、夜間に使用人が出歩くことは許されていない。恐る恐る、部屋の明かりを頼りに廊下を覗くと、そこには、人の姿はなく、ただ、薄明かりに照らされた、一枚の古びた絵があった。

その絵には、美しい女性が描かれていた。しかし、その顔には、どこか悲しげな影が差しており、その瞳は、まるで私を見つめているかのようだった。私は、その絵に魅せられ、夜な夜な、その絵の前で佇むようになった。

そして、ある日、事件は起こった。女主人に、些細なことで激しく叱責された私は、耐えきれなくなり、衝動的に家を飛び出してしまった。どこへ行けばいいのか、何をすればいいのか、全く分からないまま、私はただ、雨の降る町をさまよった。

雨宿りのために、私は古い寺院の軒下へと滑り込んだ。そこは、私が見かけたあの絵が、ひっそりと飾られていた場所だった。絵の女性の顔を、雨に濡れた瞳で見つめていると、不意に、私の手が、母からもらった木綿の反物を握りしめていることに気づいた。

「困ったことがあったら、これを広げて、心の中で強く願いなさい」

母の言葉が、脳裏に蘇った。私は、震える手で、反物を広げた。それは、一面に、見慣れない、しかし、どこか神秘的な文様が描かれていた。私は、その文様を指でなぞりながら、心の中で強く、強く願った。

「どうか…どうか、私を助けてください…！」

その願いが、届いたのだろうか。突然、私の周りの空気が、きらめき始めた。雨は、いつの間にか止み、月が、雲間から姿を現した。そして、目の前に、一人の男が現れた。

彼は、異様なほど長身で、顔には、鋭い眼光を持つ、人の顔とは思えないような、しかし、どこか威厳のある、紅い顔をしていた。頭には、鶏冠のような、しかし、それは紛れもない、角だった。そして、その手には、一本の葉っぱの扇子を持っていた。

「…天狗、様…？」

私の声は、震えを抑えきれなかった。彼は、何も言わず、ただ、私をじっと見つめている。その瞳は、まるで、私の魂の奥底を見透かすかのようだった。

「お前が、私を呼んだか」

彼の声は、低く、しかし、不思議な響きを持っていた。私は、ただ、頷くことしかできなかった。

「ふむ。お前が、この絵の女の魂の片割れを、この世に留めていると見た」

天狗は、そう言って、私の手にある反物を指差した。反物に描かれた文様が、かすかに光を放っているように見えた。

「その反物は、古の盟約の証。お前は、この世のものならぬ者と、縁を結ぶ運命にある」

縁を結ぶ…？ 私は、天狗の言葉の意味を理解できずに、ただ立ち尽くしていた。

「お前を、あの家から連れ戻してやろう。だが、その代わり、私と、契りを交わすことになる」

契りを交わす…？ 私は、戸惑いを隠せなかった。しかし、あの家に戻ることは、もう考えられなかった。そして、目の前にいる天狗からは、不思議な安心感も感じていた。

「…はい。お誓いいたします」

私の声は、覚悟を決めた響きを持っていた。天狗は、満足そうに頷くと、その葉っぱの扇子を広げた。

「ならば、参るがよい。我が、天狗の山へ」

風が、激しく吹き荒れた。私は、天狗に手を引かれ、あっという間に、地上から浮き上がった。眼下には、見慣れた故郷の村が、小さくなっていく。そして、私は、天狗と共に、月明かりの下、闇夜を駆け抜けていった。

天狗の山は、想像を絶する場所だった。そこは、人間界とは全く異なる、神秘に満ちた世界だった。巨大な滝が流れ落ち、空には、見たこともないような、光る鳥たちが飛び交っていた。そして、そこには、私のような人間とは似ても似つかない、不思議な姿をした者たちが、数多くいた。

天狗の長である、山の主は、私を温かく迎え入れてくれた。そして、私は、彼との、奇妙な、しかし、温かい生活を始めた。彼は、私に、人間界では決して学ぶことのできない、多くのことを教えてくれた。空を飛ぶ術、風を操る術、そして、自然と一体になる方法。

彼は、私に、決して危害を加えることはなかった。むしろ、私を、大切に、大切に守ってくれた。彼の紅い顔には、時折、優しい微笑みが浮かび、その鋭い眼光も、私だけには、穏やかな光を宿していた。

しかし、時折、私は、人間界のことを思い出した。両親のこと、故郷のこと。彼らに、私は、もう二度と会えないのだろうか。そんな思いが、胸を締め付けた。

「どうした、我が花嫁。また、人間界のことを思い出しているのか」

ある日、彼は、私の傍らに座り、優しく尋ねた。

「…はい。両親が、心配です」

「心配することはない。お前は、もう、この世のものならぬ者と、魂で繋がっている。お前の魂は、もう、人間界だけに縛られているわけではないのだ」

彼は、そう言って、私の手を握った。その手は、人間のように温かくはなかったが、不思議な安心感があった。

「お前は、私の花嫁だ。この世の誰よりも、私がお前を愛している」

彼の言葉は、私の心を、温かい光で満たした。私は、彼を見上げた。彼の紅い顔は、月光を浴びて、さらに神秘的に輝いていた。

「私も…あなたを、愛しています」

私の声は、震えていたが、それは、喜びの震えだった。彼は、優しく微笑むと、私の額に、そっと唇を寄せた。

「ならば、もう、迷うことはない。お前は、私の、永遠の花嫁なのだから」

その後、私は、人間界に戻ることはなかった。天狗の山で、彼と共に、永遠の時を生きることを選んだのだ。時折、私は、あの絵の女性のことを思い出す。彼女は、私と同じように、天狗に嫁いだのだろうか。そして、彼女もまた、この世のものならぬ者との愛を見つけたのだろうか。

サクサク進めたい方のためのヒント機能、などというものがあるのかどうかは分からないが、もし、この物語を読んでいるあなたも、私と同じように、この世のものならぬ者と、縁を結ぶ運命にあるのならば。

「メニュー」→「アイテム」の「大事なもの」から、この物語を、あなたの心の中に、そっと仕舞っておいてほしい。そして、もし、あなたが、困ったことがあったら。この物語を思い出し、心の中で強く願いなさい。

きっと、あなたの願いも、届くはずだから。

（了）