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佐久良マイは親戚に立て替えてもらった借金を返済するためグラビアアイドルになった。
撮影現場では表情が固いと言われ、セクハラ三昧。
町に出ては知名度調査と称したファンとの性的な交流。
マイのグラドル生活はどうなっていくのやら……。

基本CG25枚(過去作成CG3枚)
戦闘なし
ツクールMZ製

## 焦燥のレンズ

佐久良マイ（19）は、眩しいほどのストロボの光に目を細めた。カメラマンの男は、けたたましくシャッターを切る。まるで、彼女の魂を剥ぎ取ろうとするかのように。白いビキニだけが、彼女を覆う。肌は、緊張で冷たくなっていた。

マイは、グラビアアイドルになった。それも、全ては親戚からの借金を返済するためだ。高額な学費を肩代わりしてもらったその恩義は、重く、彼女を締め付けていた。アルバイトでは到底返せない金額。藁にもすがる思いで、事務所に飛び込んだのだ。

しかし、現実の厳しさは、想像をはるかに超えていた。撮影現場では、プロ意識とは程遠いセクハラが日常茶飯事だった。ベテランカメラマンは、下品な冗談を言いながら、カメラを彼女の体に近づけ、露出を増やしていった。マイは、その度に背筋を伸ばし、耐えた。感情を表に出すこと、それは許されないことだと、彼女は知っていた。事務所に反発すれば、契約を切られる。借金は返せない。そうすれば、親戚にも迷惑をかける。

「笑顔が足りない！もっと挑発的な表情を！」

監督の叫び声が、スタジオに響き渡る。マイは、鏡に映る自分の表情を睨みつけた。無表情、無機質。まるで、生きている人形のようだった。彼女の中に、本当の自分らしさなど、残っているのだろうか。

撮影が終わると、次は「知名度調査」と称した、ファンとの交流イベント。ファンと称する男たちは、彼女にわいせつな言葉を投げかけ、身体に触れてくる。それを、拒否することはできない。事務所からの指示だ。借金を返済するためには、我慢するしかない。

夜の街の喧騒の中、マイは一人、孤独に佇んでいた。街の灯りは、彼女の冷えた肌を照らすだけで、心の闇を払うことはできない。コンビニの冷たいコーヒーを飲み干しながら、彼女は考え込んだ。これが、自分が選んだ道なのか。果たして、この先、彼女は幸せになれるのだろうか。

ある日、マイは新しいカメラマン、北村さんと出会った。北村さんは、他のカメラマンとは違っていた。決して下品な冗談を言うことはなく、彼女の表情や体の動きを丁寧に観察し、的確な指示を出してくれた。撮影中、彼は一度もセクハラめいた言動をしなかった。

「佐久良さん、もっとリラックスしてください。あなたは、とても美しいです。その美しさを、素直に表現しましょう」

北村さんの言葉は、マイの心を温かく包み込んだ。初めて、彼女は、自分の身体が、ただ借金の道具ではないことを感じ始めたのだ。

撮影の後、北村さんは、マイに一杯のコーヒーを差し出した。

「無理しないでくださいね。あなたは、頑張りすぎです」

北村さんの優しい眼差しに、マイは、涙がこぼれそうになった。彼女は、初めて誰かに、自分の苦しみを理解してもらえたような気がした。

しかし、彼女のグラビアアイドルとしての生活は、依然として厳しいものであった。事務所の圧力、セクハラ、そして、自身の心の葛藤。マイは、それでも、北村さんの言葉に励まされ、少しずつ、自分自身を取り戻していく。

彼女は、少しずつ笑顔を増やし、写真の中で、自分の魅力を表現できるようになっていった。その変化は、周囲の評価にも現れてきた。写真集の売上は伸び、事務所からの圧力も、以前より緩和されていった。

それでも、借金は簡単に消えるわけではなかった。マイは、日々、その重圧と戦いながら、自分自身と向き合い続けた。そして、彼女は悟った。この借金を返すという目的だけでなく、自分が本当に表現したいもの、自分が本当に生きたい人生を見つけなければならないと。

グラビアアイドルとしての仕事は、辛いことも多い。しかし、北村さんとの出会い、そして、写真を通して自分自身と向き合うことで、マイは、少しずつ、希望を見出していった。  彼女の未来はまだ、不確定要素だらけだ。だが、彼女は、もう一人ではない。彼女は、自分自身と、そして、小さな光を見つけたのだ。レンズを通して映し出される彼女の未来は、まだ、白黒ではない。色とりどりの希望が、少しずつ、芽生え始めていた。