【エロ動画】ショートアニメーション 06 ver.1.0.2【アダルトAVアニメ・ゲーム】

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FlashPlayerのサポート終了に伴い【swfフラッシュ】は、動作保証外となります。

## 幻灯の残光

　街は flash で満ちていた。いや、満ちていた、と過去形で表現するのが、今の私には適切だろう。

　私は、かつて「幻想遊戯」と呼ばれていたショートアニメーションスタジオで、 flash 職人として生計を立てていた。 2023年12月31日。その日を境に、世界は静かに、しかし確実に、 flash の世界から切り離された。Flash Player のサポート終了。それは、私のような人間にとっては、まるで長年親しんだ言語が突然禁止されるような、そんな宣告だった。

　私の日常は、画面の向こうの光に彩られていた。黒い画面に映し出される、色とりどりのキャラクターたち。彼らは、私の指先から生まれ、私の思考の断片を宿し、そして画面の中で躍動していた。キャラクターの滑らかな動き、画面を横切る効果音、そして時折挿入される、懐かしいメロディー。それら全てが、 flash という魔法によって紡ぎ出されていた。

　「幻想遊戯」は、小規模ながらも熱狂的なファンを持つスタジオだった。私たちは、商業的な成功よりも、純粋な「面白さ」を追求していた。短い時間の中に、驚きや感動、そして時にはクスリと笑えるユーモアを詰め込む。それが私たちの信条だった。

　特に私が担当していたのは、あるシリーズの制作だった。それは、異世界からやってきた少女と、現代の平凡な高校生が織りなす、ちょっと不思議な日常を描いたショートアニメーションだった。少女の名前は「リリア」。淡い紫色の髪に、琥珀色の瞳。言葉遣いは少し古風だが、好奇心旺盛で、地球の文化に目を輝かせる。相棒の高校生、健太は、最初はリリアの突飛な言動に戸惑いながらも、次第に彼女の純粋さに惹かれていく。

　リリアが初めて地球のコンビニエンスストアに足を踏み入れた時の、あの驚愕の表情。おにぎりを前に、目を丸くして「これは、稲の塊に、海の恵みが封じられた、魔法の食べ物ですか？」と尋ねるセリフ。そして、健太がそれを苦笑しながら「いや、まあ、そんな感じかな」と答えるシーン。このやり取りを flash で表現するのが、どれほど楽しかったことか。リリアの瞬き、頬の赤らみ、そして健太の困ったような笑顔。それらを繊細な曲線と色彩で描き出す作業は、私にとって至福の時間だった。

　しかし、 flash の終焉は、容赦なく訪れた。ニュースでその事実を知った時、私はまず「嘘だろ？」と呟いた。そして、ふと、制作途中の flash ファイルに目をやった。リリアが初めて空を見上げ、飛行機雲に「空を駆ける白き龍」と呟くシーン。あの、彼女の瞳に映る青空の輝き。それは、もう二度と、 flash Player では見ることができないのだ。

　スタジオの仲間たちも、動揺していた。皆、 flash という「道具」に、生活だけでなく、情熱の全てを注ぎ込んできた。しかし、その道具が使えなくなってしまっては、これまで積み上げてきたものが、まるで砂上の楼閣のように崩れ去ってしまう。

　「どうなるんだ、俺たちの作品は？」

　ある日、スタジオでそんな声が上がった。皆、不安げな表情で、暗闇に沈みかけた画面を見つめている。私も、言葉に詰まった。 flash 以外の方法で、あの滑らかな動きや、繊細な色彩を再現することは、私には想像もできなかった。

　しかし、そんな諦めムードの中、一人だけ、静かに作業を続けている者がいた。それが、リリアのキャラクターデザインを担当していた、サキだった。彼女は、 flash のコードを打ち込むのではなく、手書きのスケッチブックに、リリアの姿を描き続けていた。

　「サキ、何やってるんだよ。 flash はもう…」

　私が声をかけると、サキは顔を上げた。その瞳には、いつものような諦めや悲しみはなかった。

　「だから、 flash じゃない方法で、リリアを動かしたいんだ」

　彼女はそう言って、スケッチブックのページをめくった。そこには、リリアの様々な表情、様々なポーズが、生き生きと描かれていた。一枚一枚の絵は、 flash の滑らかな動きとは違う、手描きの温かさを持っていた。

　「でも、どうやって…」

　私の疑問に、サキは微笑んだ。

　「アニメーションの基本は、コマ撮りじゃない。 flash は、そのコマ撮りを、もっと効率的に、そして滑らかに表現するためのツールだっただけでしょ？」

　彼女の言葉は、私の心に突き刺さった。そうだ。私は flash という「魔法」に囚われすぎて、その根源を見失っていたのかもしれない。 flash がなくても、アニメーションは作れる。むしろ、 flash が世に出てくるずっと前から、人々は手作業で、あの「動く絵」を作り出してきたのだ。

　「… sketches のデジタル化？ そして、それを繋ぎ合わせて…」

　私は、サキの言葉の端々から、彼女が考えているであろう方法を想像した。それは、膨大な作業量になるだろう。しかし、同時に、 flash とは違う、新たな表現の可能性を秘めているようにも思えた。

　「そう。そして、音楽も、効果音も、新しい方法で作り直す。 flash の残光に頼るのではなく、一から、新しい光を灯すの」

　サキの言葉に、私の胸に、熱いものが込み上げてきた。 flash がサポートされなくなったからといって、私たちの「幻想遊戯」が終わるわけではない。私たちは、 flash という「魔法」を失ったのかもしれない。しかし、私たちの「創造する力」は、失われていない。

　それから、スタジオは、まるで冬眠から目覚めた熊のように、活気を取り戻した。 flash のコードを書き換える代わりに、私たちはペンを握り、絵筆を手に取った。サキが描いたリリアのスケッチを元に、私や他のメンバーが、デジタルスキャンして、一枚一枚の絵に命を吹き込んでいく。

　リリアが初めてコンビニで見た、カラフルなパッケージのお菓子。その一つ一つを、私たちは丁寧に描き直した。コンビニの自動ドアが開く時の、あの「ピー」という電子音。それは、 flash の効果音ライブラリにあったものだったが、私たちは新しい音源を探し、録音し直した。

　健太がリリアに、地球の常識を教えるシーン。 flash の時は、キャラクターの表情変化を滑らかに描くために、様々な中間フレームを駆使していた。しかし、今度は、手描きの繊細なタッチで、二人の感情の機微を表現しようと試みた。健太の困惑、リリアの純粋な疑問、そして二人の間に芽生える、言葉にならない絆。それらを、一枚の絵に込める。

　作業は、困難を極めた。 flash のように、数クリックで完了していた作業が、何時間もかかることもあった。しかし、それでも、私たちは止まらなかった。画面に映し出されるリリアの笑顔が、私たちのモチベーションとなった。

　そして、ついに、新しい「幻想遊戯」のショートアニメーションが完成した。それは、 flash で作られたものとは、全く異なる質感を持っていた。手描きの温かみ、そして、そこから滲み出る、作り手の息遣い。リリアの瞳は、 flash の時よりも、さらに深く、きらめいているように見えた。健太の表情には、より豊かな感情が宿っていた。

　私たちは、それをインターネット上に公開した。 flash Player のサポート終了後、私たちの過去の作品は、ほとんど再生できなくなってしまった。だから、この新しい作品が、私たちの「幻想遊戯」の、新たな始まりとなることを願った。

　公開から数日後、私たちは、予想外の反響を得た。かつてのファンたちが、新しい作品に歓喜の声を上げてくれたのだ。

　「リリアが帰ってきた！」

　「 flash じゃなくなっても、この温かさは変わらないね！」

　「むしろ、こっちの方が好きかも！」

　そんなコメントが、次々と寄せられた。驚きと喜びで、私たちは顔を見合わせた。 flash という「魔法」は失われた。しかし、私たちの「物語」と「創造する情熱」は、決して失われることはなかったのだ。

　今、私は、新たな flash ファイルを開くことはない。しかし、私の指先は、描くこと、そして動かすことへの情熱を失っていない。サキが描いたリリアのスケッチブックは、もう flash のコードが記されたファイルではなく、インクと鉛筆の匂いがする、生きた証として、私の机の上に置かれている。

　 flash Player のサポート終了。それは、ある意味で、世界の終わりだったのかもしれない。しかし、それはまた、新しい世界の始まりでもあった。私たちは、 flash という「残光」に導かれるのではなく、自分たちの手で、新たな光を灯し、これからも、物語を紡いでいく。リリアという、この愛しいキャラクターと共に。

　窓の外は、もう flash で満たされていない。しかし、私の心の中には、リリアの琥珀色の瞳のように、希望という名の光が、確かに灯っている。