【エロ動画】【DX Edition】夏の娘と、ヒメゴト。【前編】・夏の娘と、ヒメゴト。【後編】【アダルトAVアニメ・ゲーム】

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過去作、2作品セット版。

『夏の娘と、ヒメゴト。【前編】』(RJ300581)
『夏の娘と、ヒメゴト。【後編】』(RJ301161)

## 夏の約束、ヒメゴトの吐息

蝉の声がアスファルトを焦がすような、真夏の昼下がり。古びた商店街の一角に、ひっそりと佇む「夏目菓子店」があった。店先には色とりどりの風鈴が吊り下げられ、チリンチリンと涼やかな音色を奏でている。しかし、その音色すら、店内に満ちる甘く懐かしい香りを打ち消すことはできない。

店主の夏目ハルは、齢七十を過ぎた、皺の刻まれた柔らかな笑顔が印象的な女性だ。彼女の手から生み出される和菓子は、どれも素材の味を最大限に引き出した素朴なものばかり。特に、夏限定で販売される「琥珀糖」は、若者から年配者まで、多くの人々を魅了していた。水飴を固めて作られたそれは、まるで宝石のようにキラキラと輝き、口に含めばシャリッとした食感と、じんわりと広がる優しい甘さが広がる。

その日、夏目菓子店の暖簾をくぐってきたのは、一人の少年だった。中学三年生の、小柄で少し痩せた体つき。黒縁の眼鏡の奥に宿る瞳は、どこか遠くを見つめているかのようだった。彼の名は、篠原悠（ささはら ゆう）。

「こんにちは、夏目さん」

悠は、少し遠慮がちに挨拶をした。

「あら、悠くん。いらっしゃい。今日は何になさる？」

ハルは、いつものように温かく悠を迎えた。悠は、ショーケースに並ぶ色とりどりの和菓子に目を走らせたが、その視線はすぐに、奥に置かれた小さな籠に吸い寄せられた。そこには、涼やかな水色の琥珀糖が、まるで夜空に瞬く星屑のように詰められていた。

「あの、琥珀糖、ありますか？」

「ええ、もちろん。今日は特別に、少し多めに作ったのよ」

ハルは、悠の好きな水色の琥珀糖を、小さな紙袋に丁寧に詰めていく。その手つきは、長年の経験に裏打ちされた、迷いのないものだった。

「ありがとうございます」

悠は、代金を受け取りながら、小さく頭を下げた。そして、袋を大切そうに抱え、店を出ていこうとした、その時。

「悠くん」

ハルが呼び止めた。

「どうかしたんですか？」

「あのね、今日で、この店を閉めることにしたの」

ハルの言葉に、悠は目を見開いた。

「え…？」

「もう、年だしね。体も、昔のように動かなくなってしまって。この夏が終わったら、この場所は、違うお店になるのよ」

ハルの声は、悲しみを帯びているというよりは、穏やかな諦めを含んでいた。

「そんな…」

悠は、言葉を失った。夏目菓子店は、彼にとって、特別な場所だった。幼い頃、母親を亡くした彼は、父との二人暮らしだった。父は仕事で忙しく、幼い悠が一人で過ごす時間は多かった。そんな時、いつも彼が足繁く通ったのが、この夏目菓子店だった。ハルは、いつも温かく彼に接し、時にはお菓子を少しだけおまけしてくれた。そして、何よりも、そこで食べた琥珀糖の優しい甘さは、孤独で寂しい彼の心を、いつもそっと包み込んでくれたのだ。

「でも、琥珀糖は、どこかで食べられなくなるわけじゃないでしょ？」

悠は、必死に自分を励ますように言った。

「そうね。でも、私の作った琥珀糖は、もう食べられなくなるわ」

ハルは、そう言って、窓の外、陽の光を浴びてキラキラと輝く風鈴を見つめた。

「夏目さん、僕…」

悠は、何か言いたげに口を開きかけたが、言葉にならなかった。

「大丈夫よ。悠くん。人は、いつか別れを経験するもの。そして、その別れを乗り越えて、また新しい出会いを見つけるものだから」

ハルは、悠の頭を優しく撫でた。その温かい手に、悠はわずかな安堵を覚えた。

「あの、夏目さん。もし、よかったら…」

悠は、意を決して言った。

「私、もうすぐ、ここを出ていくことになるんです」

「え？」

「父の仕事の関係で、夏が終わる頃に、東京に引っ越すことになりました」

ハルは、驚いた顔で悠を見た。

「そうだったの…それは、寂しくなるわね。でも、新しい場所でも、頑張りなさいね」

「はい。でも…」

悠は、言葉に詰まった。

「あの…夏目さん。僕、夏目さんの琥珀糖が、大好きです。だから…」

「だから？」

「あの…もし、もしよかったら、僕のために、もう一度だけ、琥珀糖を作ってくれませんか？」

悠の言葉に、ハルは静かに微笑んだ。

「もちろんよ。悠くんの、最後の夏だからね」

その日以来、悠は毎日のように夏目菓子店に通った。ハルは、悠のために、丁寧に琥珀糖を作り続けた。水色だけでなく、夏らしく鮮やかな黄色や、夕焼けのようなオレンジ色の琥珀糖も。悠は、その一つ一つを、まるで宝物のように受け取った。

ある日、悠がいつものように店を訪れると、ハルは、いつもとは違う、少しだけ緊張した面持ちで彼を迎えた。

「悠くん、今日はね、あなたに、一つ、お話があるの」

「なんですか？」

「あのね、私…昔、あなたのお母さんと、友達だったのよ」

「え…母さんと？」

悠は、驚きで声が出なかった。

「そう。あなたの母さんとは、私、すごく仲が良かった。いつも、この店に遊びに来てくれて、色んな話をしたわ。あの頃は、あなたも、まだ小さくて、よく私のお膝の上で寝ていたのよ」

ハルは、遠い目をしながら、懐かしそうに語った。悠は、母の記憶があまりなかった。幼い頃に亡くなった母のことは、父から聞かされる断片的な記憶しかなかった。だから、ハルから母の昔の話を聞くのは、悠にとって、初めての経験だった。

「母さんは、あなたのことを、本当に大切に思っていたわ。いつも、あなたの将来を心配して、そして、あなたならきっと、立派な大人になるって、信じていた」

ハルの言葉は、悠の心に深く響いた。母が、自分をそんな風に思っていてくれたなんて。

「あのね、悠くん」

ハルは、少し間を置いて、続けた。

「あなたのお母さんはね、私に、一つ、お願いがあったの」

「お願い？」

「そう。もし、あなたが、いつか、この店に来てくれるようになったら…その時は、あなたに、このお店の秘密を、教えてあげてほしいって」

「秘密…？」

悠は、ますます混乱した。

「そう。この夏目菓子店にはね、代々受け継がれてきた、秘密があるの」

ハルは、そう言うと、悠の手を優しく握った。

「それはね…」

ハルは、そっと、悠の耳元で、秘密を囁いた。それは、悠の想像を遥かに超える、不思議な秘密だった。

「…そういうことなのよ。だから、悠くん。もし、あなたが、この秘密を、守ってくれるなら…」

ハルは、悠の顔をじっと見つめた。その瞳には、かつての母への友情と、悠への深い愛情が宿っていた。

「…あなたに、このお店の、未来を託したいの」

悠は、ハルの言葉に、ただただ、呆然としていた。夏目菓子店。そして、この店に秘められた、不思議な秘密。そして、母からの、託された想い。彼の心は、期待と不安と、そして、母への温かい想いで、いっぱいになった。

夏の太陽は、容赦なく照りつけ、蝉の声は、ますます高らかに響き渡っていた。夏目菓子店の、静かで、そして、温かい時間が、ゆっくりと流れていく。悠は、この夏が終わるまでに、ハルから託された秘密を、しっかりと心に刻み込まなければならない、と思った。そして、それは、彼にとって、母からの、そして、夏目菓子店からの、最後の、そして、最も大切な、ヒメゴトとなるのだった。